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第83章『黒猫のタンゴ』

 店に入るなり『昔の子』「今にも降ってきそうですよ」と言いました。

 私は急いで窓辺にディスプレイしてあったTシャツ数枚とタオル数枚を取り入れた時、『昔の子』が妻が焼いたパンをテーブルに置くと、「また、あの子がいましたよ」と言いました。

 あぁ、またいたんだね。私はそう答えました。『昔の子』によるとその子はもう3日も、店のそばの公園にある、小さな祠の前に立っているというのです。

「幽霊じゃないかと思うんですよね。いい加減……」真面目な『昔の子』が真剣な顔でそんな事を言うモノだから、私も何だかもうそれでもいい気がしてきたのですが……、

いや、違うんだよ、向こうは向こうで……。

               *

 その日、私は近所に住む3つ年下の少年と黒猫を探し回っていました。それは祖母のお気に入りの歌で、祖母が大好きだった私はどうしてもその黒猫を捕まえて祖母に見せてやりたかったのです。

「ほら、ばあちゃん。これがその『タンゴ』だよ」

 私と少年はまずは釣りにいき、釣れた魚をエサにして、隣家の隙間や縁の下を覗き込み『黒猫のタンゴ』を捕まえようと探し回っていたのです。

 『タンゴ』を私は、音楽のタンゴではなくて、私の郷里の京都府京丹後市『丹後』だと勘違いしていたのです。だから『黒猫のタンゴ』は世界中のどこでもない、必ずここ『丹後』にいるはずだと、なぜか固くそう信じて疑わなかったのです。果たして私のこの小さな勘違いは、これはこれまで誰も成し遂げられなかった世界的にも珍しく、重要、且つ誉れ高い偉業で、それをまして私の様な小学生が達成したとあれば世界は驚き、その勇気と行動力に称賛の拍手は鳴りやまず、私は子供にして十分に大人の世界に認められる存在になるだろうと、なぜかそこまで、私の中でこの事は、拡大・膨張してしまったのです。

 タンゴ~、タンゴ~、という口の中がすぐにカラカラに乾いてきました。9月の日差しはまたまだ強く、帽子のこめかみから汗が幾筋も流れました。

やっと見つけても黒猫は少し距離を置き、我々を振り返りつつまたどこかに見えなくなりました。

 そうこうするうちに、困った事が起きました。年下の少年がタンゴを探す事に飽きてしまったのです。「何か他の事やって遊ぼうよ。もう足、疲れた」と言い出したのです。確かに、それならば1人で探せばいいと、そう思うかも知れませんが、私のどこかには先の勘違いと同様に、これを1人でやる事の異常性をはっきり自覚する何かがあったようです。私は少年を宥めながら、「もういっぺん、釣りに行こう。この魚、なんか変な匂いしてきたから、きっともう腐ってる。これじゃあタンゴもよりつかへんから、せやさかい、もういっぺん釣りに行こう!な!」少年は渋々ついてきた様子でした。

 自転車で15分ほどの、護岸工事によって不自然に深くなった橋脚のそばがよく釣れました。私は足を開き橋脚と護岸の間をまたぐように釣っていたのですが、どうやら少年はそれが面白くないようでした。自分にはそれが出来ない。ただ見てるだけじゃあつまらないよ……。

 ほな、やってみ! 私はそう言って少年に竿を渡しました。でも本当はこう思っていたのです。出来るはずがない。私でもギリギリなのに、私よりも身体が小さいこの子に跨げるはずがない。少年はひょいと跨ぎましたが、やはりそれまででした。一旦跨ぐとそれからはもう、少年は行きも戻りも出来なくなったのです。

 ちょ、ちょっと、ユウちゃん、助けて、な、引っ張って、釣り竿引っ張って! しかし私は笑いながら、なぜかその少年をほったらかして家に帰ってしまったのです。『黒猫のタンゴ』など、もうどうでもよくなっていました。始めから私はタンゴなんていもしない猫を探すという事を口実にその少年を呼び出しては、結局こうして上手くはめて置き去りにして帰ることが目的であったかのように、そしてそれが徹頭徹尾うまくいったように、軽やかな気分でした。

 その夜、少年が帰って来ないと近所じゅうが大騒ぎになりました。そして、「確かひるまに、ユウちゃんと一緒にあそんでたよね?」と、その母親に言われたのです。私は、知らない、と言いましたが、そのオバサンはいつもの様に優しく遠慮はしませんでした。

 アンタ!ウソを言いな!ホンマの事教えて! アキラとどこ行ってたん? アキラはどこにおるん!

 私は怖くなって家の中に駆けこんでそのまま寝てしまいました。疲れていたのかすぐに眠ってしまい、その後の事は今も思い出せません。ただ、真夜中に警察官に起こされて、父親から、お前、ホンマに知らんねんな?絶対ホンマに、なんも知らんねんな?と、何度も念を押されたのを覚えています。

 だから、お前がやった事はそれと同じなんだよ。私はもしできるなら『昔の子』にもそう言ってやりたかったんです。

 いつかお前は、「もういいんですよね。もう、ああすればよかった、こうすればよかったって考えなくてもすむようになったんですよね。俺達 」 そんな事を言って、せっかく上手くいっていた私の世界から、あらゆる秩序をバラバラに壊して出て行ってしまった。そして何事もなかった様にまたうちの店で以前と同じように働いている。それが悪い事とも、無駄な事とも言わないよ。でもお前は本当に、何か足りないと感じないのか?『今の子』の事を、本当に知らないのか?

 それは訊いてもどうしようもないのは私だってわかっています。本当の意味の『切ない』とはこういう気持ちを言うに違いありません。

 私をさりげなく苦しめ続けていた記憶は、父親の3回忌の時に思わぬ形で消えました。あの日、行方不明になった少年は30年の時を経て私の父の3回忌の受付をやってくれていたのです。私は驚きませんでした。何も疑いませんでしたし、チャンスだとも思いませんでしたよ。ただその通りだと思ったのです。実際、そんなモンだと。

 私は、『昔の子』がそんな事を言ってくれれば、いいのになぁ、『今の子』の事を微塵も覚えておらず、ただ、『またあの子、いましたよ』なんて、確かに目の前にいるのに、その前後の繋がりがわからないその子に向かって、『幽霊だと思うんですよ、いい加減……』、なんて不気味がるような事を言ってくれれば助かるのになぁ、と、ただそう思っただけなのでしょう。

 意外とそのまま、現実は訪れるんです。

それを忌み嫌いさえしなければ、の話ですが……。

 

     第82章『バイバイ・フラワー』

 

 よしじゃあ、そろそろ行くわ。私がそう言うと婆さんは水筒を渡し、十分気を付けるんやで、と言いました。

 本当に世話になりました。嫌な思いもしたけど、概ね世話になりました。私はただ頭の中だけでそう唱えて、故郷と呼ぶにはあまりにも素っ気ないこの山間の里を、すこぶる生乾きの覚悟と共に後にしたのでした。

 婆さんにもらった水筒はあっという間に空になりました。これで関係はすっかり断たれたと思うとむしろスッキリしました。汗を拭って見上げると真夏の空には指先でちょっと千切った和紙をような小さく朧気な月と、それを囮に悠然と森に隠れて決して姿を見せようとしないずるい太陽がありました。私はなんとあらばその姿を炙り出してやろうと、自分もまた自分の影を囮に、今までにあった事、あればよかったのになかった事、なかった事、なければよかったのにあった事を一つ一つ短刀の様に懐に忍ばせながらいつ途切れるとも知れない駅までの砂利道を歩いています。

 夢はな、あったんやけどダメになってしもたんや。アキさんの最初の子みたいに。そりゃあ悲しかったよ。散々期待さしてこれかい?って。でもなに平気や、儂だけちゃう。世の中にはそんな残酷はナンボでも転がってるんやで。

 爺さんは言いましたが、私にはそれが本心だとは思えませんでした。どうしようもない現実に対して、言い訳を言うぐらいなら何も言わない方がいいという事に、爺さんは終ぞ気付かなかったようです。そして常に言い訳をしながら酒を飲み、タバコを吸い、ウソをつき、ウソをつかれ、人を騙し、騙されたまま、78歳で人生を終えました。墓前の花は絶え間なく揺れています。この世の中で本当の事を言っているのはこの花だけのような気がしました。

 私が生まれたのが『春』という季節だと教えてくれたのはこの爺さんです。爺さんは私にこんな事を言いました。

 こんなモン、続かへんよ……。じき夏が来る。人も動物も平気で殺す灼熱と疫病の悪魔の季節や……。

 それを聞くと私は急に息苦しくなり、息を吸っても吸っても空気が胸に入って来ないような気がしました。やがて意識を失うと針を刺され、薬を打たれ、飲まされ、塗られ、熱が下がり目が覚めると涙目のままやんわりと乳をもらい、そっと尻を拭われながら、ボンヤリと灯る提灯をジッと見つめる様な意味のない夢を毎日毎晩見るのでした。

「身体が弱すぎて下痢するばっかりで薬もよう吸収せぇへんでねぇお父さん、お母さん。医者としてももう、どうしようもないんですわ。弱い子を授かった運命やと思ってね。様子をよう診てやって、おかしなったらまた連れてきてください。」

 しかしそれが夢ではない事を知り、私は愕然としてしまいます。それまで当然自分のモノだと思っていたすべてのモノはすべてが借り物で、私は本来ここにいるモノではなく、私にはなんの役割もない事を知ったからです。

 無言でため息をつく運転席と助手席の2人を後ろの席から交互に眺めながら私はもう再スタートを切っていました。私にあなたたちに愛される価値がないというのは同じに、あなたたちに私を愛する価値はないという事です。そんな事で一々驚いたりしません。悲観もしません。たとえ宇宙VS私になってもその事には寸分も変わりない。そもそも宇宙なんて誰かが勝手に名付けたモノだ。そして私が私の便利のために借りているだけのモノだ。要らなくなったらいつでも捨ててやる。だから私はもう、重度の喘息患者でもなければ、あなたたちの子でもない。

               *

 ギシギシと首を振る扇風機と無人の売店で、1時間に2本しか来ない列車を待ってまずは缶コーヒーを一本買いました。ローカル単線の線路を跨ぐ橋の上に設けられたこの売店に初めて息子を連れてきたのは彼がまだ1歳になったばかりの頃です。ハイハイをしながら祖父母に近づく可愛らしい姿が今も鮮明によみがえります。私はそのおむつでモコモコの後ろ姿に自分の全宇宙を楽々投影することが出来たのです。

              *

 じゃあその、アキさんの最初の子が僕だというのですね。

『今の子』は言いました。さすがに勘のいい子です。私の話を総合するとそういう事になるのでしょう。でも私にはとにかく今は『今の子』を安心させる義務があったのです。

 違うよ、アキさんの最初の子は、私の本当の祖母だ。女の子だよ。

 じゃあ、僕は?

『今の子』は急に不安そうに言いました。そうです、ここが一番気を使わないといけないところです。

 君はもっとちゃんとしてるよ。アキさんの子は私の中では1ミリだって顔を出してはいないんだ。まるで知らない人だよ。君と私が出会ったのは私がこのブログを書き始めたのと同時。そりゃ、ちょっと変だなとは思ったさ、でもそんな事にいちいち誰もが納得できる理由なんかあるわけがない。私の髪がこんなに真っ黒でくるくるなのも、君の髪が少し茶色くてストレートなのも、それ以上でも以下でもない。遺伝とか人種なんてすべて後付けさ。つまり私が君と話す場合、君はいつ何時だって両親からの虐待で命を落とした少年でしかないんだよ。まあ、それも今のところ……。

 私かここまで言って言い淀んでしまいました。『昔の子』の事があったからです。あれ以来、『今の子』は得体の知れない心の空洞を必死に埋めようと頑張っているのです。『昔の子』はもうずいぶん昔に、ここを置いて他の方へ歩いて行ってしまったのです。『今の子』はその事を知らないでしょう。或いは知っていても気付かないのでしょう。ただ心の空洞として『昔の子』の事は理解している。それは私が、自分には居場所も役割もない事に今も尚、気付いていないのと同じ事だと思うのです。

 キン、キン、キン、キン、と列車が来ることを知らせる甲高い鐘の音が聞こえ始めました。さあ、いよいよ、お別れです。

 私はこれまであの老夫婦と暮らしてきた生活を完全に終了させるため、もう2度と帰る事のない故郷の働きを完全に消去してしまうため何か一つ、忘れ様のないモノをみつけておこうと辺りを見回しました。すると、

 線路の脇にオレンジ色の花がたくさん咲いているのが見えました。風にフワフワと揺らいでまるで手を振っている様に見えるのです。

 私はここで、列車に飛び込んで命を断ったのでしょうか?

それとも、そのまま、大人しく乗り込んで今もどこかで暮らしているのでしょうか?

 そんな事を考えながら私は今も、陽炎に揺らぎながら赤と肌色のツートンのディーゼル列車が近づいてくるのを待ち続けているのです。


  

       第81章『天馬と蚊』

 すべては私の力不足で、誠に申し訳ないと思っている、だってさ。

 おかしいと思ってたんだよね。年末にカレンダー配らなくなった辺りから。いくら断っても無理やり持たされたあのダッサいカレンダーを、あれ?今年は作らないんだ。って思ったその時だね。

 でもまあわかってたんだと思う。つまり俺も誤魔化してたって意味じゃあ共犯だね。知ってて知らんぷりしてたんだ。まあもう倒産したんだから、何を言っても始まらない。

あ~あ、今から何しよう……、何処に行こう、何食べよう……。

 相当鼻つまみだったってよ。どんなにイジメても全然意に解さないって。暖簾に腕押し、超絶、無神経な奴だってさ。みんな呆れてたよ

 もちろん、わかってましたよ。そうやって私から退職を言い出すのを待っていたんでしょ。だからわざと辞めなかったんです。残念ながら、この会社での時間は私にとってとても大切な時間なんですよ。ネコを拾ったのもこの仕事での事。だからどんなに不本意でも、この仕事とは運命の出会いである事に絶対相違ないんです。そうしないと、あの子を愛する家族に申し訳がない。これはそういう私の『意地』です。そしてこの虚無感・脱力感こそが私の『退職金』です。

 それで? パパはどうしたの?

 どうしたのって、歩き出したんだよ。他の仕事をみつけるために『お仕事探し屋さん』を目指してね。実践的にも精神的にもね。

 でもこのご時世。なかなかいい仕事なんて見つからなかったんじゃない? どこか紹介してくれなかったの? その会社。

 そんなに気の利く会社なら突然潰れないでしょ。まあ潰す前に、経営サイドでは資産隠しに余念がなかったみたいだけど。

 人間のそういうとこ、私、好きよ。大好き。アブラムシむしゃむしゃ食べて、お腹いっぱいになって飛んでいくテントウムシみたいで、可愛いじゃん。

 水玉模様で飛んでいけばそうだったんだけどね。飛んで行ったのは私と同僚の方だった。

 ザっと会話を繋げるとこういう事になった。雑踏は常にうるさい。耳はそれをよく知っていて、普段は聞き流しているのだが、こんなタイミングだからよーく聞き集めると、雑踏はちゃんと自分の今についての様々な意見を言ってくれている事に気付く。

 透明なエスカレーターがどんどんと地の底に向かってどんどん降りていくのを、私はあわてて一階で飛び居りのたのです。建物を出ると外はバカにしたように晴れていました。

 あぁ、気持ちがいい! 気持ちがイイって、マジ気持ち悪ぃ!

 そう叫んだ時でした。私の目の前に『天馬』が舞い降りてきたのです。今日の昼間の月は、妙にデカいなぁ、そう思って見上げた瞬間、SF映画みたいに急に辺りが暗くなったかと思うと、巨大な何かが私の目の前の地面を踏みつけたのです。私は驚きのあまり声も出せませんでした。それは実際の馬よりも10倍も大きく、蹄などマンホールほどもある、全身に湯気のような光を纏った真っ赤な雄馬でした。もちろん逃げ出そうと思ったんですが、でも少し変なのです。

  全く何の音もしないのです。それに何の臭いもしない。

 

 周りを見ると、『天馬』には気付いている人とそうでない人がいる様でした。慌てて写真を撮ろうとして、あれ?あれ?なんて、携帯を縦に向けたり横を向けたりしている人もいれば、平気で天馬の蹄の間を悠々と潜り抜ける人もいるのです。

 いま、頭の中でペガサスユニコーンを想像している人。全然違いますよ。あれは実際の馬に無理矢理羽根や角をくっ付けただけの、人間の発想力の貧しさの果てに誕生した哀れな動物ですよね。『天馬』はそうじゃありません。

 『天馬』は見た目は確かに馬なのですが、いわば過去と未来が衝突したような膨大なエネルギーの塊なんです。もうこれ以上のモノはないという、そんな形をした、空から生えた強大な突起物なのです。

 そりゃ過去未来という極大のプラス極大のマイナスが衝突するわけですから、全てが相殺されるのはわかります。だから何の音も匂いもしないのもわかります。しかし

 相殺された時間は消えるのではなく、まるで固まったようそこに留まって、私が『天馬』に気付いてカメラを構えたと思った人もまるで静止画の様に留まっていて、そして改めて、これはそれまでどういう場所でどういう時間を過ごし、何を見て、何を考えてきたのかによって、目の前に見えている様子が全然違うのではないか、と思えてえてきたのです。もしその人が長崎出身ならば、 

 長崎にしかいないはずのナガサキアゲハが飛んでたよ! なんて事を言い出すかもしれません。そしてその人は当然、私にもナガサキアゲハが見えているはずだと。

 

 だから私は恐ろしいという気持ちを最大限に抑えて、なるべく冷静に『天馬』を見極めようとしたんです。こんな事をするのは初めてです。そして、私の目の前にあるのは私にとって、本当は何なのか。それを見極めようとしたのです。そう思って見ると、初めは有難いモノに見えていた『天馬』も、どうやらそうでもないようなのです。あんなに高圧的で威張っていたのに突然頭を下げた社長の様に、『天馬』はまるで、突然この空間に迷い込んでそのバカでかい身体を無知に悶えさせているだけのバカな奴にも見えてきたのです。

 それ、何か不思議ですか?

『昔の子』はキョトンとして私に訊きます。

 だってさ、突然目の前にさ、馬の10倍の大きさの馬が舞い降りてきたらそれを馬だとは思わないでしょ普通。でも私は 馬だ! って、しかも、天馬だ! ってはっきりそう思ったんだよ。何で??

 それが当然だと思ってたから……。じゃあ俺の経験とは全く逆という事ですね。

 そうなの?

 B-29は巨大な飛行機だけど、実際には蚊ほどにしか見えないんです。空襲警報のサイレンももうJアラート同様すっかり慣れっになってて。あ、また蚊が飛んでる、って思ってたら、その蚊がいきなりポロポロとウンチをこぼしたかと思うと、目の前の山や町が大爆発を起こしたんです。

 音は?

そりゃあもう、大きいですよ!

 臭いは?

そりゃあもう、臭いですよ!

 確かにそりゃ、全く逆だね……。

  貧血と熱中症で倒れたと知りました。目の前が急に暗くなった時に。

 私はSF映画みたいに目の前が暗くなった事を、それをどうしてかと考えて、それは、ナニモノかが舞い降りたと、それは何か?それは天馬に違いない、そうやって現実を遡ってるうちに、私はいつの間にか来たのとは別の道に迷い込んで、会社は倒産して、職にあふれていたんですね。実際に『天馬』が現れたのは、私が熱中症で倒れた後の事だったんです。

 あと最後に、一番面白かったのが、倒れた私を誰も介護しなかったという事ですね。夕立が顔に当たる感触で私は意識を取り戻したんです。髪の毛から強烈なアスファルトの匂いがして、額と頬を擦り剥いていましたが、誰一人、私を介護しなかったのです。

 おかしいなぁ……、日本人はそんなに不親切じゃないはず。それとも私は、誰にも見えてなかったのかなぁ……。

まあ、いいです。大した事なくてよかった。皆様も、いよいよ夏本番、給水怠りなく。息災にお過ごしくださいませ。

  第80章『お母さんには、残念でした。』

    

 苦し紛れに微笑んだって、決して幸せにはなれないぜ!

 そんな歌詞を自信満々でのせてきたソイツの顔を、私はもう少しで殴りつけるところでした。私が煩悩と劣等感に犯されてめちゃくちゃに化膿した頭から血膿を絞り出すように楽曲を作り続けていた、そんな頃の話です。

 俺の作品を殺す気か!?

 その頃が一番、私のアメリカに対する激しい憎悪と復讐心が燃え上がっていました。アメリカごときの経済力や人種差別や体躯の差や国土面積の差や地下資源の差など、一気にひっくり返して余りある起死回生ななにかを、私は自分1人で、自分の中だけに見出そうと必死だったのです。

 「え?ダメ? ダメなの? お前のメロディーに譜割りもばっちり合ってるし、お前が拘ってたシンコぺの部分にも、『微笑んだって』の小さいツが、ぴったりはまってると思うんだけどな。苦労したんだぜ」私が極度の寝不足を押して、徒歩でスタジオまで来ているというのに、ソイツはサラッとタクシーで乗り付けてはそんな間抜けな事をいけしゃあしゃあと言い放ったのです。

 そんな理由で、あなたは彼を殺したんですか。

 私はオレンジ色の服を着て、弁護士の通訳の言葉に耳を傾けています。

 ロックはウソをつかない。ロックは平等だ。ロックは愛だ。

 何度も聞いた事があります。そんな事を本気で思い込んでいた私がバカだったのは認めます。知りませんでした。みんなほとんど掴まないんですね。電車のつり革みたいに、困った時やバランスを崩した時に、ちょっと、触る。その程度で。

 私はがっつりと捕まっていました。そしてまるでクラゲかサルみたいにフラフラ、ブラブラと揺れていたんです。今はわかります。考えてみれば当然です。人間が人間の都合で作ったモノが平等や愛であろうはずがありません。人間は結局、毒しか作れないんです。

「私は何度も『ジャップ』と呼ばれました。なんですか?『ジャップ』って」

 私はそう訊きました。その意味さえ悪くなければ一向にかまわないのです。私の事など、スティーヴでも、アンソニーでも、キムでも、ジャップでも、好きに呼べばいい。だがもし都合が悪いとすれば、それは呼ぶ側の人間の心情が理由で、その事で私が気分を害し、その者に危害を加えたとしたらそれもやはり同じ理由なのです。いったい何処に住む人間が、結婚して一生一緒にいたいたいほど大好きで信頼できる人間を『ジャップ』と呼びますか?

 つまり『ジャップ』は世界共通の悪口という事です。それは世界中の誰にとっても悪口なんです。『ジャップ』と呼ばれた瞬間に、その人間は人間ではなく『ジャップ』になるのです。

 アメリカの裁判など実際は裁判でも何でもありません。軍事裁判と同じ、始めからマイノリティー異邦人敗者だと決まっています。それを臆病な自信家どもが反逆を恐れて抑え込もうと悪だくみをした結果、こういう愚にも付かない判決が下りるのです。

 私がその酔っ払いの白人を殴ったというバドワイザーの瓶が証拠品として提出されました。そこには私の指紋が付着していたと、弁護士は言っていると通訳は言います。でも私が飲んでいたのはエビス。バドワイザーみたいなあんな水みたいなビール、死んでも飲むわけがないでしょう。

 私は懲役刑に処され、暫くの間アメリカで過ごしました。たぶん数年間だったと思いますがよく覚えていません。その間は正に筆舌に尽くしがたい屈辱の毎日でした。

 そして刑期を終えて出所した私はもう、自分の名前も年齢もわからなくなっていました。もちろん、国籍も。

 だからどうやってこの国に帰って来て国民と認められ、今の名前を名乗るようになったのか、納得できる理由も見当たりません。

 ただ私の中にはアメリカ合衆国に対する激しい憎悪と復讐心だけが熾火のように燃え続けていたのです。それだけが私を私だと確認できる灯だったのです。実年齢は今もわかりませんが、その当時私はまだ若いと判断されたようで、高校生がやる様なチープなアルバイトでせっせと小銭を貯め、アメリカで紛失したモノよりもずっと高いギターを買いました。アンプは借金して買いました。豊島区長崎の1万4千円の風呂無し四畳一間のアパートでギターをかき鳴らすと毎日苦情が来ましたが大した事ではありません。逮捕されたってアメリカの時と同じ、また出てきて同じ事をすればいいだけです。実際やってようがやってなかろうが関係ないのですから。殺人ですらそんなもんです。ただ私の頭の中には、服役中に出来た不衛生な傷からあふれ出す膿がなみなみと溜まっていたのです。私はフレーズという形で、それを毎日絞らなければ生きていけなかったのです。そしていつか、この汚らしいベトベトした黄色い液体をアメリカ全土に撒き散らしてやる。

 ね?

 私の夢は、一般の人のそれとはずいぶんと違う形でしょ? でも、夢は夢です。私はきっと、アメリカ全土を興奮のるつぼにする美しく、アグレッシヴで時には泣きのギターをかき鳴らして、地位も名声も恣にするでしょう。そして、私が『ジャップ!』と言われたのと同じ意味の『サンキュー!』を連呼してアメリカ全土にその汚らしい黄色い液体を撒き散らす事でしょう。

 次の週。ソイツはスタジオに来ませんでした。オカンが、死んだ。

そうメールが着いたのです。だから鹿児島に帰る、と。

 母親は身体があまり丈夫でない事、今は実家で妹と2人で暮らしているが、自分は長男なので、ゆくゆくは帰って実家の面倒をみなければいけない事。だからバンドで食っていくというのは時間制限のある夢だという事。

 

 苦し紛れに微笑んだって、決して幸せにはなれないぜ!

 まったくその通りだぜ!だからお前はもともと幸せにはなれない。お前の幸せは所詮、苦し紛れだからだ。

 お母さんには、残念でした。

 私はそう返信しました。さて、こうなればもうこのバンドは今日で終わりです。

さようなら~、あそうだ!最後にいいこと教えておいてあげる。

 お前、売れるよ!!スーパースターになる。

『いきてるきがする。』《第12部・春》


    第79章『開戦前夜?(その3・最終)』

 私の中にはたくさんの魂が犇めき合っていてまるで市場のようです。家畜の臭いや、料理の匂いや、花の香りが入り混じって、耳には人の笑い声や怒号が入り交じります。その温気に当たって私は時々気持ち悪くなったりします。きっと誰かがそのうちの一つをその都度、私に選んでくれているのでしょうが、それがナニモノなのか、私にはわかるはずがありません。ただその言葉も要らないナニモノかとの関係によって私が今、文章を書いている事だけは間違いない様です。

 SOS?出しませんよ。そんなモノ。

 そんなモノが一体誰の胸に届くというのです。そんなモノを出すのは無意味ですし、そもそもそれは不可能なのです。

 あ!  

 私はさっきから、私、私、と言ってますが、言っておきますがこれはあなただってまったく同じなのですよ。だから私の事を、変人ぶって注目されようとする嫌な奴だ、などと思って自分から遠避ける様な事だけは是非やめてくださいね。私達は同様にずっと騙されてきたのですから。それはあたかも他人同士であるかのように、私は貴方を批判できる関係にあるだとかないだとか、あるいはその逆だとか。それは全く意味のない事だというのです。本当です。だから私達は今こそ目覚めて、そしてしっかりと心を一つにして本当の『今』を、この言葉も要らないナニモノかから取り戻さなければいけなのです。

 では今からその方法について話し合いましょう。

              *

「その人ってさ、ひょっとしてさ、ふちなしの眼鏡かけた、オジサンというか、もうオジイサンに近い年齢の人じゃなかった?」

 私が訊くと今の子は、はい、その通りです。心当たりでもあるんですか? と答えました。 

 心当たりも何も……。君はついさっきまでそのオジイサンと一緒にここで働いてたんだよ。とはさすがに言えません。だって、どうやって説明すればいいというのです? 戦時中に餓死した少年の事を。

「Tシャツ50枚じゃ大した量だね。郵送したの?」

「それが頑固なオジイサンで、どうしても持って帰るの一点張りで、いくら言っても聞かないんですよ。結局、全部持って帰ってしまったんですよ。」

 彼ならやるだろうと思います。『昔の子』には強情なところがありましたからね。だから思った事は必ずやり遂げるはずです。『俺はもう時間には縛られない。』そう宣言した彼は2つの記憶から1つを選んだ。彼は父親の葬式の方を選び、彼の父親は死んで彼は生き残った。

 そういう事でしょうか。いいえ、私はそうじゃないと思います。なくなったとすれば、それは強いて言うならば、餓死した彼の方です。

 

              *  

  

  老人が選んだ絵柄は、吾唯足知だったそうです。

吾唯足知(われただたりるをしる)

 ご飯を食べさせてもらえなかった……。私は私の背後に回った父親ではなく、父親に愛されなかった自分の方をどんどん嫌いになっていったのです。

 お前は、親に恥をかかせて、そんなに楽しいか?

 その直後、私は後ろから父に首を絞められたのです。意識が遠ざかるけど、もういいや、と思ってました。これが、答えだと。

 知ってますか? 空腹って、恐怖というより屈辱なんです。

 病弱だった私は半ば騙されるような形で剣道を習わされました。酷い喘息なうえに胃腸も弱く、薬を飲んでもお腹を壊すだけでまるで効果がない。だったらまず、薬を吸収できるだけの体力をつけてやらなければいけない。こういう単純な発想は恐らくは父でしょう。行きたがらない私に父はこう言いました。

 「行くだけ行ってみて、いらんかったら辞めたらええやん。」

 もともとデブで身体を動かす事が大嫌いなうえに病弱で、ずっと庭や校庭で虫ばかり追いかけていた内向的で汗っかきな少年が、いきなり剣道の道場に連れていかれて、冷たい板の間に正座させられて、ニコリともしないいかつい先生の視線に怯えながら、嫌々竹刀を降ったところで、剣道など上達するはずもありません。私が、やめたい、と言うと父はこう言いました。

「またお前はすぐに辞めるとかいう! 根性なしが! だからお前は誰よりも何にもできないんだよ!」

 それは今風に言えば、イジメ、です。虐待、です。家庭内暴力、です。

でも当時はそれを『愛情』と呼んでました。だから私の正統な反抗はいちいち、苛烈な暴力という愛情で鎮圧され続けました。

 結局、私は中学3年までの9年間剣道を続けましたが、その時間について言う事は何もありません。その間の事を、私は何も思い出せないからです。剣道さえやっていなければもっといろいろ覚えていたと思います。

              *

 

 綺麗な花がたくさん咲くといいですね。『今の子』は言いました。あぁ、そうだね。と私も相槌を打ちますが、『昔の子』のせいで私にはどの花の事を言っているのかわかりません。ただ思うよりも早く老化してしまった自分の姿を、飽きもせず、何もせずじっと眺めている視線を感じただけです。そして『昔の子』の葬式の記憶は、『今の子』の葬式の記憶として受け継がれ、そして『今の子』のイジメの記憶は私のそれとして受け継がれている、そしてさらにその全てを眺める2人の少年の目線と私の6つの視線はもうどこからどこまでがそうなのだか区別がつかない。他人の記憶などどうでもいい、そう思った瞬間に、自分の記憶もどうでもよくなるのです。大切なモノを亡くしした瞬間に要らないモノも亡くなるのです。すると、

『私がいなくなれば、あなたはきっと悲しむでしょう。しかし私はこれまで、世界中のあちこちで、まるで人間とも思えないほどに傍若無人な事の限りを尽くしてきた極悪人です。』

そういったAIも、実はAIではないのかもしれないと思えてきました。その考えを導き出すための、AI は途中段階に過ぎない。そうやって全ての行為や考えは、最終的には全ての人を殺す事に繋がっている。人生と呼べるすべては、その途中段階に過ぎない。

 

               *

『雨降ってきましたよ!』 

 そう言って、いつもの元気な顔で『昔の子』が勢いよく店に帰ってきました。胸に抱えた、妻が焼いたパンでいっぱいの紙袋が少し雨粒で濡れているようです。もう少し持ちやすい袋に入れてやればいいのに……。

 え!じゃあとのまは? 『今の子』が俄然慌てだしました。

 大丈夫だよ、あの子は雨が大嫌いだから、すぐに戻ってくるよ。

 私は立ち上がろうとして杖を探すのですが、見当たりません。

しかし、あぁ、そうか。と思っただけでした。そして、

 こんなのが絶望というのなら、あってもなくても同じだな、そう思っただけでした。

 いかがでしょう?

これが私達の話し合った結論で、間違いないでしょうか?


保護猫『とのま』の一言成長日記2023。7月~8月



8/31(木)

 今ちょうど、早朝ご飯を食べてますが、昨日、耳を見たら、また耳垢がたまってて、脱脂綿を湿らせて拭くと暫くすると撮れたりするので、拭いてみました。なかなか、スッキリ治らないなぁ、今度また、診てもらうとするか、でも、病院、大嫌いなんだよね。とのチャンは。

とにかく、今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

8/30(水)

 今朝もちゃんと4時10分前に、豪快に蹴り上げて起こしてくれました。でも声は控えめ、ニャ、ニャ、って感じで。だんだん朝が遅くなってきて、この時間はまだ暗いけど、まだまだ暑いね。今日も暑くなりそうです。まだ、たまに首を振るので、気を付けて耳を観察したいと思います。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

8/29(火)

 今朝もちゃんと4時に起こしてくれました。相変わらず、朝は、撫でて、とアピールしてきます。食欲もあって、元気で、ウンチもおしっこも見た目は普通なんですが、毎朝のアピールに何か別の意味があったらと、なるべく気持ちを察してやろうとしてます。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

8/28(月)

 今朝もちゃんと4時に起こしに来てくれました。兄さんも昨日無事に、15歳の誕生日を迎えることが出来ました。兄さんが生まれて15年、とのチャンがウチに来て4年と2か月。これからもますます、幸せに満ち溢れていきますように。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

8/27(日)

 今朝もちゃんと4時に、アラームが鳴らないのにちゃんと4時に起こしに来てくれました。そしてひとしきり甘えたら、後はサッサと二度寝に行きました。まだ時々、首を振るようです。耳の具合は引き続きチェックしないと。今日も暑くなりそうです、給水怠りなく。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

8/26(土)

 今朝は3時半に一回目起こしに来てくれました。土日はアラームが鳴らないので、え、もうそんな時間?と思ったら、ちょっと早め、遊びたかった??朝は涼しくて気持ちいいもんね。でも今日も暑くなりそうだよ。給水怠りなく、今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

8/25(金)

 今朝もちゃんとアラームと同時に私の体にステップしてアクティヴににおこしにきてくれましたよ。今日はめちゃ暑い予報、おしっこする時のポーズが前よりも体を伸ばす様になった気がします。変な体調の変化でなければいいんですが、それ以外は元気いっぱいのとのちゃん。

今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

8/24(木)

今朝もちゃんと4時に起こしてくれました。今日は5時出だから、本当に助かったよ。改めて言うよ、毎朝、起こしてくれて、ありがとう。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

8/23(水)

 今日も、ちゃんとアラームと同時に起こしに来てくれました。今日は病院に行ってくるよ。首肩の具合と、手術の詳細を聞きに。まだまだ暑そうだよ、給水怠りなく、今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

8/22(火)

 今日は私の勝ち!! とのちゃんはあとで起きてきました。いいよ、眠い時は寝てて。でも慌てて起きてきて、ニャ、ニャ、と言い訳しながらスリスリしてくるところは、やっぱり可愛い。朝から可愛い。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

8/21(月)

 今朝もちゃんと4時に起こしに来てくれましたよ。最近ホントに、私に甘えてくるのはなぜ??私の体調不良を、その鋭い野生の勘で見抜いて心配してくれているの??ありがとうね、とのちゃんはホント、賢くて、可愛くて、優しくて、丈夫で、最高だね。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

8/20(日)

 今朝は、何度も何度も起こしに来てくれたにも拘らず、2時間以上も寝坊してしまいました。もう、とのちゃん、あきれ顔で、1人でリヴィングで香箱座りしてました。

今は、テーブルの下でまったりしてます。まだまだ暑いけど、何だか、ちょっと、秋の気配も感じるね。今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

8/19(土)

 今朝もちゃんと4時に起こしてくれました。ちょっとベランダ出て、早朝ご飯食べて、二度寝に行きました。最近、日中はずっと押し入れで寝てるんだよね。暑いから?体調、悪くないよね??ご飯もしっかり食べてるし、ウンチもしっかり、いいの出てるし。今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

8/18(金)

 今朝は私の方が先に起きたよ。でももう起きてたみたいだね。起こそうか、どうしようか、迷ってたところを私が起きたモノだから、慌てて起きてきた。という感じでした。耳垂れは落ち着いている様子。まだ、しばらく様子を見て見ます。では今日も、めちゃめちゃ熱いと予報が出てますが、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

8/17(木)

 今朝も起こしに来てくれましたよ。とのちゃん。でも昨日辺りからまた、右耳を気にする仕草をするようになって、首を振ると、何か液体が飛び出してきます。また、耳垂れか……一応外耳炎の点耳薬をさしておきました。濡れたコットンでそっと拭いてやると、嫌がる事もなく素直に拭かれているので、それは、気持ちいいのかなぁ、と思ってます。今日も暑いよ、そして今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

8/16(水)

 今朝は同時に起きたのかな?蒸し暑い朝です。台風は過ぎたようですが、その置き土産の湿気が凄い。お盆休みも終わり、いよいよ、夏後半戦。今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

8/15(火)

 今朝もちゃんと目覚まし通りに起こしてくれました。いいウンチもしてました。最近とみに、朝の甘えモードが激しくなってきて、私が起きると足元にスリスリしたあと、コテッとねて、「さ、撫でろ!」 というポーズをとってきます。そして可愛さ100倍増。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

8/14(月)

 今朝もとのちゃんはちゃんと4時前に起こしに来てくれましたよ。私も、今日は仕事なのでちゃんと起きましたよ。雨が降ってるね、一日雨みたい。なるべく早く帰って来るね。とのちゃんも、しっかり水飲んで、しっかり寝て、健康に過ごすんだよ。そして今日も、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

8/13(日)

 今朝もちゃんと4時に起こしてくれたけど、私が3時間も寝坊して、とのちゃんはすっかり呆れて、1人で早朝ご飯食べて、ウンチして、また押し入れで二度寝してました。ゴメンな、せっかく起こしてくれたのに。今日は変な天気になりそうだよ。雷、なるかなぁ。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

8/12(土)

 今朝もちゃんと起こしてくれましたよ。昨日はゾゾマリンスタジアムから帰って来たのが10時過ぎてたから、とのちゃん、ずいぶん一人でお留守番してたんだね。ありがとう。おかげでライオンズ、勝ったよ。今日も暑いね。今日も家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

8/11(金)

今朝は、ちゃんと、何度も起こしに来てくれたのに、私が大寝坊。いくらお盆休みの初日だからって、その分、とのちゃんはいつもよりも甘えモードでした。今日は、ゾゾマリンスタジアムに野球を観に行くので、とのちゃんはまた、1人で留守番。ゴメンな、美味しいモノ、何か用意するからね。今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

8/10(木)

 今朝もちゃんと起こしに来てくれました。私の肩首の様子がよくないのを知ってか、頻りに手や首の臭いをかいできます。そうやって治してくれようとしてるようで、また可愛さ倍増。今日はちょっと涼しいね。でも給水怠りなく、今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

8/9(水)

 今朝もちゃんと4時少し前に、胸乗っかり攻撃で起こしてくれました。すっかり元気になった様で、一安心、カリカリエサも元気に食べてます。今日は天気が悪そうな関東地方。でも暑いよ、給水怠りなく。今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

8/8(火)

 今朝も、ちゃんと起こしてくれました。カリカリエサも、ちゃんと、カリカリ食べてるよ。と妻。それならいいんだけど、昨日また、大きめの耳垢が落ちてました。自然に出てくるという事は、もう直りかかってるのかな。元気は元気、やや夏バテ気味かな、チュールで解消!!今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

8/7(月)

 今朝も起こしてくれました。胸に乗っかり攻撃、今日は有休をとったので休みです。銀行に行ってくるよ。最近、カリカリエサを前の様に勢いよく噛まなくなった気がする。ソフトエサは勢いよく食べるのに。ひょっとして、歯?? いろいろ心配しだすとキリがないけど、物言わぬ、君の事だから、こっちが気を付けないとね。今日も一日、よろしくね、とのちゃん。

8/6(日)

 今朝も起こしてくれましたよ。目覚ましは鳴らないのですが、ちゃんと4時に。暑いです。とのちゃんは最近朝は決まって、撫でろ! と足元にゴロンとしてきます。耳の調子がまだ本調子じゃないのか、カリカリエサは食べにくそうに見えるんです。だから今朝は特別に早朝チュールを上げてみました。ものすごい勢いで食べてましたね。安心安心、そんなにうまいの??チュール。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

8/5(土)

 今朝もちゃんと起こしてくれました。部屋のあちこちに、とのちゃんの耳垢、と思われる黒い塊が落ちてます。まだ本調子じゃないのかもしれない。でも、熱もなくて食欲もあってウンチも素敵。でも様子は見たいと思います。今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

8/4(金)

今日は私が1時間早起きなので、とのちゃんはまだ寝てます。おやすみ、今日も暑いよ、ゅう水怠りなく。じゃあ行ってくるね、今日も一日、家族ともどもよろしくねとのちゃん。

8/3(木)

今朝も、起こしてくれました。ここ最近は、起きるとすぐに、ほら、撫でろ! と足元に寝っ転がる、可愛いさ満点のとのちゃんですが、まだ時々、うるさそうに首を振るので、もうちょっと、耳の様子を見たいと思います。今日も暑いよ、そして一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

8/2(水)

 今朝も、目覚ましピッタリに、ニャ、ニャ、って小鳴きしながら、胸の上に乗っかって起こしてくれました。耳はすっかりいい様子。あ、猫草、植えなきゃ! 帰ったら植えるよ、今日も一日、暑くなりそうだけど、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

8/1(火)

今朝も起こしてくれました。小声で、ニャ、ニャ、って鳴きながら。可愛さも完全復活。体調はすっかり戻ったようで、食欲も旺盛。ただ、耳の奥がまだちょっと、黒っぽい。もうしばらく様子を見ます。今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/31(月)

今朝はバッチリ、胸乗っかり攻撃で起こしてくれました。昨日もずっと寝てて、あんまりご飯食べてなかったせいか、朝から、ご飯ちょうだい!の熱烈コールで、ちょっと安心。今は二度寝に行きました。今日も暑そうだけど、今日も家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/30(日)

 今朝は私の方が先に起きた、と思いきや、とのちゃんは起きて一人でリヴィングにいました。まだ少し、耳垂れが出てるから、あと少し、薬入れなきゃね。あとはよく食べて、水しっかり飲んで、昨日はほぼ一日、押し入れで寝てたね。暑いからね。でもたまには運動した方がいいよ。今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/29(土)

 とのちゃん、すっかり元気になりました。あんなに嫌がってた耳の掃除も、薬の点耳も、我慢してくれるようになりました。賢いね、おかげで食欲も戻り、今朝は久々に起こしてくれました。胸の上で香箱座り。重いね。安心したよ。今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/28(金)

 昨日辺りから、熱も下がり、食欲も出て、以前みたいに甘えてくるようにもなりました。耳からはまだ、耳垂れが出てますが、大嫌いな点耳薬も、頑張って耐えてます。いい子だ!今朝は久々に起こしてくれました。もうちょっとだね。今日もめちゃ暑くなるよ、給水怠りなく、今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

7/27(木)

今朝も、起こしてはくれませんでしたが、1人でリヴィングで、クタッとしてました。でも触ったら昨日より熱もなく、草も食べて、水も飲み始めて、ちょっとだけ、ニャ、と甘えてくれました。だんだん良くなってるならいいですが、引き続き点薬と観察は続けます。今日も暑いよ。家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/26(水)

 昨日辺りから元気がないらしい。どうも、熱っぽい気はしてたんだけど、今朝も、起きてるんだけど、起こしに来てくれなかった。一人でリヴィングでジッと、香箱座りしてた。早朝ご飯にも手を付けず。一応、外耳炎の点耳薬はつけてるけど、夏バテもあるのかも。元気出して。今日も一日、家族全員で祈ってるよ。とのちゃん。

7/25(火)

 今朝もちゃんと起こしてくれました。右耳の耳垢ですが、耳ダニではないらしい。でも外耳炎に掛かってるかも、という事で、お薬を貰ってきました。しかし、さすが元野良猫、家ではあんなにダラダラリラックスしてるのに、病院だと表情が変わる。警戒心は失われていませんねぇ。今日も暑いけど、家族ともどもよろしくねー、とのちゃん。

7/24(月)

 今朝は1人で早朝ご飯食べてたね。ここ最近、耳を気にしてよく首を振ってるから見て見たら、黒い耳垢が……。調べてみると、どうやら耳ダニがいるらしい。クビにチュッとする薬、ダニ除けの薬、やってなかったから、そのせいだね、ゴメンな、今日早速病院に連れて行ってもらう事にする。今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/23(日)

 今朝もちゃんと起こしてくれました。土日はアラームが鳴らない設定なんですが、とのちゃんアラームはちゃんと作動します。今朝は、何だか涼しいね。でも日中は暑くなるよ。最近、日中はずっと昼寝しているとのちゃんが、朝遊びたがるのはそのせいか。昼に動くと体力消耗するもんね。もともと砂漠の生き物だったという猫。水分の大切さは、人間より熟知してるんだね。今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/22(土)

今朝は起こしに来てくれました。久々に髭抜き攻撃をやろうとして、失敗して思い切り噛み付かれました。その後、ペロペロしてくれました。あ、嚙んじゃった! って思ったのかな。今はベランダで涼んでます。この時間、まだ涼しいです。でも今日も暑くなるよ。そして今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/21(金)

 お、今朝は起こしてくれなかったね。起きてたみたいだけど。どうしたの? で、私が起きると早速近づいてきて、ゴロン、として、さ、撫でろ! って。早朝から甘えモード。そういう日もあるさ。家族で一番早起きなネコ、お母さんみたいな。たまには甘えないとやってられないよね。今日も一日、とても暑くなりそうだけど、給水怠りなく、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/20(木)

 今朝も起こしてくれました。くれましたけど、もう朝からとのちゃんも夏バテ気味。暑いよね。早速水を替えて、エサを上げましたよ。今捕食中。今日もきっと暑いけど、お互い、給水を怠りなくしようね。なるべく早く帰るよ、今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/19(水)

 今朝もちゃんと4時に起こしてくれましたよ。でもさすがに、ちょっと暑くてばてている様子、朝、水の量がいつもよりずっと減ってる。人知れず、夜中に水を飲んでるんだね。そうだよ、とのちゃん、さすがはドクターとのちゃん、給水怠りなく、今日は曇り予想だけど、気温と湿度はめちゃ高い予報が出てます関東地方。気を付けよう!』そして今日も、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/18(火)

 今朝だってちゃんと起こしてくれましたよ。4時きっかりに。もう明るいですよ。4時。そして今朝ももう、暑いです。午前中で35度予想の関東地方。とのちゃんも今日も、給水怠りなく、また台所のいつもの場所で、昼寝でもしておいで。今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/17(月)

 今朝もちゃんと起こしてくれました。明け方、壁を細かく、トントントントン、って蹴ってたから、なんだろう、って思ってしまったよ。痙攣でも起こしてんのかと。今は元気にベランダで涼んでます。しかし、もう激暑です。給水怠りなくね。今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/16(日)

 今朝も、ちゃんと起こしに来てくれました。暫く一緒に転寝して、今はベランダで朝涼み中……。今日は兄さんが、模試を受けに行くんだよ。結果はどうでも、無事に帰ってくれば父さん的には100点だね。今日も暑くなりそうなよ。そして今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/15(土)

 今朝も起こしに来てくれました。何度か。でも私が寝坊。その間、まんじりともせず、枕元とリヴィングを行ったり来たりしてた様子。今はベランダで朝の空気を楽しんでます。さあ、3連休だね、その初日も、家族ともどもよろしくねとのちゃん。

7/14(金)

 今朝も起こしてくれましたよ、飛び越え、攻撃。そして両手の上に、香箱座り攻撃、夏には夏の起こし方があると知りました。両手が暖かくくなると、寝づらい、今日この頃。とのちゃんも、給水怠りなく。今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/13(木)

 今朝もちゃんと4時に起こしてくれましたよ。しかし、朝から暑いです。今日はあまり天気は良くない予報の関東地方ですが、暑いは暑いです。とのちゃんも、お水しっかり飲んでね。そして修学旅行も終わって、兄さんも受験モード突入だ。家族そろって助太刀いたそう!!とのちゃんも!! 今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/12(水)

 今朝もちゃんと4時に起こしに来てくれました。兄さんが、修学旅行から帰って来たね。何となく、落ち着かない風だったから、ちょっと安心した。とのちゃんは家族思いで優しいね。今日も暑いけど、給水怠りなく。今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/11(火)

今朝ももちろん、4時前に起こしてくれました。兄さんがいないから、ちょっと調子がくるってる感じだね。大丈夫だよ、今日の夕方帰ってくるよ、きっともみくちゃにされるから、覚悟しといた方がいいよ、今日もめちゃくちゃ暑いらしいから、とのちゃんも、給水怠りなく。今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/10(月)

 今朝も、3時半に起こしてくれました。暑いねぇ、今日は朝4時にはもう暑い。とのちゃんも、夏バテしないでね。あ、とのちゃん、昨日、白いマリーゴールドにイタズラしたでしょ?悲惨な事になってたよ。まあ、もともと、『とのちゃんランド』として開放したベランダだから、好きに遊んでいいんだけど、ほどほどに、お願いします。母さん、ちょっと悲しそうだったよ。そして今日も、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/9(日)

 今朝は家族全員、この時間に起きているという不思議な朝です。とのちゃんも、え?なんで? って顔してます。こういう日は大概、とのちゃんだけお留守番の夏休みパターンだから、そわそわしてるんだね。大丈夫だよ、今日は何処も出掛けないよ。今日も一日、家族ともどもよろしくね。とのちゃん。

7/8(土)

 今朝、いきなり吐いたね。何も入ってなかったけど、いつもは大概猫草が混じってる。嫌な思い出が蘇る。うちに来てすぐの頃、まだ子ネコの頃、飼い主がバカで、人間の食べ物をいろいろあげて、その上、小さいゴムとか、注意せずに放置して、誤嚥と胃腸炎を併発した時、ずーと、何にも入ってないゲロ吐いてたもんね。嫌だ嫌だ、今は、元気にしてますが。大丈夫??大丈夫なら、今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

7/7(金)

今朝は私が起きた時はリヴィングで一人遊びしてました。もう起きてるんだね。暑かったのかな。今日も暑くなりそうだね。とのちゃんも、私も、家族全員も、給水怠りなく。そして今日も、家族ともども、よろしくね。とのちゃん。

7/6(木)

今朝もちゃんと起こしてくれました。しかし昨日の夜は暑かった、とのちゃんは、ちゃんと寝られた?今見たら、ちょっと雨が降ってた様子。今日もきっと暑くなるよ、給水怠りなく、そして今日も、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/5(水)

 今朝は、何だか涼しかったね。おかげでとのチャンのジッと起こしでも十分爽やかに目が覚めました。でも日中は暑くなる様子。今日は武蔵村山の病院に行ってきます。お留守番、よろしくね。そして今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/4(火)

今朝は暑くて目が覚めたけど、とのチャンはいつものようにちゃんと起こしに来てくれました。昨日の夜、カミナリすごかったね、寝られた?今日も暑くなるみたいだよ、給水怠りなく、今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/3(月)

 今朝も4時、少しすぎに飛び乗りお越ししてくれました。これがなかなか効く。結構びっくりする。なんせ、6.5kgもあるからね。とのちゃんは。今朝は早朝ご飯食べて窓辺で朝の空気を楽しみ中。今日は絶対暑くなるよ、給水怠りなく。そして今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/2(日)

 今朝も、ちゃんと起こしてくれました。最近は起こし方が柔らかくなってきたというか、添い寝してゴロゴロ言ってるだけ。本当は寝てたいのかな。それなのに、毎日起こしてくれてありがとう。今日は久々に天気がいいので、今、ベランダでくつろいでます。今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

7/1(土)

今朝も休日という事で、大人しく起こしてくれました。私が1時間寝坊……。暑い朝だね。もうそろそろ、梅雨も明けるのかなぁ、今日もきっと暑くなるけど、給水怠りなく。今朝はとても元気だねぇ、7月も、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。