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保護猫『とのま』の一言成長日記2024。3月~4月



3/26(火)

 今朝はきっちり、3:50に胸乗っかり攻撃で起こしに来てくれました。ん?いつもと、様子が、ちょっと違う??そう、今日は兄さんが友達のところにお泊りに行ってるから、ちょっと寂しいね。あめもようだし、あと、とのちゃん、ちょっとお腹痛い??ウンチが柔らかかったみたいだけど、お母さんに頼んで、猫草買ってきてもらう?様子見で。今日も一日、家族みんなでよろしくね!!!!

3/25(月)

 今朝はまだ起きてきません。暖かい朝です。何だか久しぶりです。暖かい朝こそ、長寝をすべし。とのちゃん、お腹がすいたら起きといで、水、替えといたよ。さあ、早いモノで3月最終週。そして新しい一週間が始まりました。今日も一日、家族みんなでよろしくね!!!!

3/24(日)

 今朝は、起きているのにジッとリヴィングで待機していた様子。私がちょっと、携帯を見た音に、ニャ、と言いながら近づいてきました。でも、鼻フックも胸乗っかりもせず。その辺、私の体調や調子をみて判断している様に見えます。優しさと可愛さの結晶とのちゃん、今日も一日、家族みんなでよろしくね!!!!

3/23(土)

 今朝は起こしてくれたのに、私が大寝坊。今、起きました。とのちゃんはすでに二度寝中……。昨日の仕事は長かったなぁ、帰ってきたのは夜8時過ぎてたなぁ、なんて誕生日だ……。あ、昨日は誕生日でした。家族みんなでおめでとう!!そして今日も、家族みんなでよろしくね!!!!

3/22(金)

 今朝も、私よりもちょっと遅く、ニャ、と言いながら起きてきました。なんだかちょっと慌ててるのは、遅く起きたから?いいんだよ。遅く起きても。今日は父さんの誕生日なんだよ。年を取った。とのちゃんと早朝お祝いしよう。ニャ、は、ひょっとして、おめでとう!だったのかな?今日も一日、家族みんなでよろしくね!!!!

3/21(木)

 今朝も私ヨロちょっと遅く起きてきて、ニャ、とあいさつ。今は、早朝ご飯待ち中です。今日も風が強そうです。昨日はせっかくいいてんきだったのに、日中はずっと寝てたとのちゃん。今日は?どうする予定? 兄さんは合唱コンクールの実行委員会の打ち上げで、ボウリングに行くらしい。つまりまだ中学生という訳さ。毎日楽しそうで何よりだね。何はともあれ、今日も一日、家族みんなでよろしくね!!!!

3/20(水)

 今日は春分の日だよ。みんな寝てて起きてこない中、とのちゃんはちゃんと5時に、早朝ご飯を済ませた後に、起こしに来てくれました。そして、知らん顔して、早朝ご飯は? と嘯いてます。そこらへんも、可愛さ爆発ですね。今日は兄さんがベルーナドームに広島線を観に行くよ。我々は自宅観戦かな。今日も一日、家族みんなでよろしくね!

3/19(火)

 今朝はまだ起きてきません。そのうち、ニャニャ、と、多分、おはよう、と言いながら起きてくると思います。昨日は珍しく、私より先に私の布団に入って寝てました。弾に、こういう可愛い事をします。今日も一日、家族みんなでよろしくね!

3/18(月)

 今朝は風が妙に強いです。とのちゃんは少し後に起きてきました。昨日は一日、おねだりばっかりしてましたが、結局甘えたかったのか、午後は兄さんにべったりでした。今週も明日行けばまたお休み。いちおう、月曜だよ、今週も、とりあえず今日も一日、家族みんなでよろしくね!!

3/17(日)

 今朝は誰よりも早く起きて5時半前に胸乗っかり攻撃で、幾らンんでももう起きなさい!って感じに起こしてくれました。暖かくなってきたから、猫草も今までよりも早く伸びると思うよ。今2鉢体勢。でも全然追っつきません……。とのちゃんの食欲が勝ってます。そろそろ1鉢植え替えるかな。今日はお母さんが夜までお出掛け。兄さんはバッティングセンター行きたいって言ってたから、また留守番頼むかも。なるべく早く帰ってくるよ。今日も一日、家族みんなでよろしくね!

3/16(土)

 今朝も、アラームが鳴らない土曜日なのに、ちゃんと5時に、その前にはちゃんと4時に起こしに来てくれました。猫草、2鉢ともイマイチだね。寒かったから、伸びがイマイチ。買ってくる??もうちょっと育ててみようか。さて、土曜日だね、兄さんの卒業式も無事終了しましたよ、今日も一日、家族みんなでよろしくね!!

3/15(金)

 今朝はリヴィングで私が起きて来るまで待機。猫草、2鉢あるうち、1鉢を上げてしまいました。まだそんなに伸びてなかったけど、あまりに欲しがるもので……。今はもう1鉢の方にロックオン中。猫草、好きだねぇ。ネコだもんね。当たり前か。今日は兄さんの卒業式だよ。家族みんなでおめでとうと言おう!!今日も一日、家族みんなでよろしくね!!!

3/14(木)

 今朝は同時に起きたね。おはよう。兄さんの熱も下がり、どうやらインフルエンザではなさそう。よかった。明日卒業式だもんね。でも無理は禁物。とのちゃんも。猫草だいぶ伸びたけど、とのちゃんも頻りに、食べたい、って言うけど、もうちょっと待っててね。まだ短いから。今日も一日、家族みんなでよろしくね。

3/13(水)

 今朝も、ちょっと後で起きてきました。とのちゃん。早朝プレちょこっとご飯を食べて、今早朝ご飯待ち中。風が強いね。風と言えば、兄さんの風邪、熱がね、下がるといいんだけど、今週の金曜日が卒業式だからインフルだけはやめてほしいね、とのちゃんも、看病してあげてね。今日も、家族みんなでよろしくね!!!

3/12(火)

 今朝もちゃんと4時に起こしに来てくれました。昨日の夜、あんなに夜更かししてたのに、眠くないの?さては今日は一日昼寝の予定だな?いいけどね、あんまり天気も良くなさそうだし。父ちゃんは今日、首の定期健診に行ってきます。もうお腹が空いているのか、ご飯ちょうだい! の、とのちゃん語で「ニャーン、ニャン」を連発してます。あと20分ほどで、早朝ご飯だよ。今日も一日、家族みんなでよろしくね!

3/11(月)

今朝もソフトリーに起こしてくれたね。最近、起こし方が前よりソフトリー。今日、父さんは免許の更新に行くので仕事は休み。いい天気みたいだし、午後は遊ぶ??それとも、寝る?? 今日も一日、家族みんなでよろしくね!!

3/10(日)

 今朝は静かに一人で早朝ご飯を食べて、私が起きてくる気配に気づくとそっと近づいて、ニャ、ニャ、と2~3回鳴いて、その後、しばらくスリスリしてから今また、二度寝に行きました。とても静かな朝でした。今日は、兄さんが小学校の頃所属していた少年野球チームとの試合に、OBチームとして参加するよ。軟球で試合するのも、この試合を入れてあと2試合。風強いけど観に行くかな。今日も一日、家族みんなでよろしくね!!

3/9(土)

 アラームが鳴らない土日、とのちゃんは5時に起こしに来てくれました。胸乗っかり攻撃。で、起きてみると、4;50に出る早朝ご飯がもうすっかり食べられていて、でもとのちゃんは、ご飯ちょうだい、鳴き。まるで、早朝ご飯なんて、初めからなかったよ、と言わんばかり。そんなにお腹すくのか。何かのストレスじゃないといいんだけど、あげたいけどね、あんまりあげてとのちゃんが太ってしまうとそれはそれで大問題なんだよ。ちょっとずつね、今日も一日、家族みんなでよろしくね!!

3/8(金)

また雪が降ってるよ!嫌だねぇ、寒いねぇ、もう3月なのにね。とのちゃんは今朝はちゃんと起こしに来てくれましたが、いつもよりもだいぶ遠慮がち。やっぱり、私の体調、眠さ度、を考慮してくれている様子。早朝ご飯食べて、とのちゃんはゆっくり二度寝しなさいよ。寒いよ。今日も一日、家族みんなでよろしくね!!

3/7(木)

 今朝は起きてたのにリヴィングで待機。最近そのパターンも増えてきたなぁ、父さんの眠りの邪魔をしないため?確かに、昨日は長時間長距離運転で疲れてたけど。何気に家族の健康チェックまでしてくれてるのかな。こっちもとのちゃんの健康チェックはしっかりしないとね。だからプレ早朝ご飯は少なめなんだよ。もうすぐ本早朝ご飯が出るよ。今日も一日、家族みんなでよろしくね。

3/6(水)

なんと、雪が降ったよ!しかもちょっと積もってる。だから今日は車出勤、今朝は早出なので、とのちゃんはまだ寝てます。寒いよ~。暖かく過ごしてね。じゃあ今日も、家族みんなでよろしくね!

3/5(火)

 今朝は起きていたのに起こしに来てくれませんでした。時々そういう事があるけど、あれは多分、私の疲労度をとのチャンレーダーで観測して、疲れているようだったら、そっとしておく。という、神々しいまでの優しさからくるものだと思って、今朝も感謝しております。我が家の福の神、招き猫、これからもずっとよろしくね。そしてとりあえず、今日一日も、家族みんなでよろしくね!!

3/4(月)

 今朝は私の人足跡に、小走りで起きてきました。週末なんてあっという間だね。兄さんが合格して、何だかホッとし過ぎて気が付くとまた月曜日だよ。とのちゃんは花粉平気?兄さんは昨日、友達とバッティングセンターに行ってとても楽しそうだったよ。久々に羽を伸ばした様子。まあよかった。また新しい一週間だけど、とりあえず今日も、家族みんなでよろしくね!!

3/3(日)

今朝も4時半に起こしに来てくれました。でも私が30分寝坊。するととのちゃんは私の起きる気配を察して30分後にまた起こしに来てくれました。30分間、ずっと、私が起きるのを待ってた?ありがとうね。早朝ご飯食べて、今は二度寝に行きました。花粉がスゴイらしいね。兄さんも、母さんもしんどそう。とのちゃんと父さんは平気なのにね。今日も一日、家族みんなでよろしくね!

3/2(土)

 今朝はちゃんと起こしに来てくれましたよ。賢いなぁ、と思ったのが、いつもの鼻フック攻撃。これまではアゴ側からやってたから、私の腕にブロックされて上手くいかない時があったんだけど、今朝はくるりと向きを変えて、おでこ側からの鼻フック攻撃。これは腕でブロックできない!考えたね。賢いね。あ、兄さん、公立高校、見事合格したよ。とのちゃんの髭のお守りが効いたって。お手柄とのちゃん。今日も一日家族みんなでよろしくね!!

3/1(金)

今朝は今起きてきて、寒い、寒いから、エアコンつけて、と膝カリカリメッセージした後、エアコンの下で待機中。遊びたくもあるみたい。早朝なのに早朝ご飯を忘れてます。とのちゃん、今日はあと数時間で、兄さんの合格発表があるんだよ。緊張するけど絶対大丈夫。家族全員で全力応援だ。今日も一日、家族みんなでよろしくね!!!

『いきてるきがする。』《第15部・冬》



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  第89章『遺品のメモ』

『司法取引だっていうんで、 ウン と言ったんだよ。そうしたらその一言が証拠になって、たちまち俺の死刑が確定しちまった。お前1人でやったんだな。だと?冗談じゃねー! お前が俺に やれ!と言ったんじゃねーかよ!』

遺品整理をしていたら、そんなメモをみつけてしまって……。

 どうしようかな、いまさら身内に知らせても手遅れだし、警察に見せても、何だか面倒な事になりそうだし。

 でもねぇ、このメモが明るみに見出れば、騙されて亡くなったっぽいこの人の面目も少しは保たれるかも知れないし……。

 だから私は今、世界でたった一人だけ、この些細な人権問題について試されているという事になる。結論を求められているのではない。この人はもう死んでいるのだから結論は出ている。私はただ試されているという事だ。辺りを見渡しても、それに注目していそうな神や仏は見当たらない。同僚2人は私だけを残して幸楽苑に昼飯を食いに行った。全くの私1人だ。外は外の御多分に漏れず、立ち枯れた様な冬の街路樹が不自然な等間隔で罪深く並んでいて、白いのか、黒いのか、キラキラとしてまるで判然としないバイクや車がその下を倦むでもなく、急くでもなく駄々通り過ぎる。それは悪も善も綯い交ぜで、その光景について強いて言うならばそれは、誰のせいでもなく、誰のモノでもなく、誰のためでもない。誰の興味も引かない、言わばただの『ゴミ』だ。

 私の浜銀銀行口座はもう何年も前に凍結されて手出しできないが、まあ多分、数千円しか残高もないので私だって痛くも痒くもないが、そういう口座の事を銀行業界では『ゴミ』と呼ぶらしいが、この人権問題も、神様業界では『ゴミ』と呼ばれているに違いない。最近はゼロエミッションだの、SDG’sだのと、環境の問題がやたらと声高に取りざたされるが、より深刻なゴミ問題があるとしたら、むしろこっちのほうだ。それを私はいきなりホイと渡されたのとだから、正直、迷惑以外の何物でもない。

 私はポケットの中でメモを揉み揉みしながら、そのうち読めなくならないかなぁ、そしたらこの弁当の空箱と一緒にコンビニのゴミ箱にダンプして、あ、しまった、捨てちゃった、と白々しい芝居をすれば幾らか罪の意識も薄まるだろうなどと考え始めていた。

 だいいち、これが本人のメモかどうかわからないじゃないか。

 でも何十年も本人以外誰も入っていないという実家のひきこもり部屋から出てきたこのメモを他人の書いたとするにはあまりにも無理があるようだし、それこそ筆跡鑑定なんてやられたら、これを本人が書いたという事を疑うせっかくの余地も壊滅する。

 シュレディンガーの猫……。私の悪人はもう決まってるのにそれが保留の状態で止まっている。

 そして私はやはり試されている。

 私は果たして、善人なんだろうか、悪人なんだろうか……。

 午後までにまだ30分ほどあったので、私は自分がこのメモと弁当箱を果たしてコンビニのゴミ箱に捨てるのか捨てないのかを見てみる事にした。コンビニには若いサラリーマンが数人レジの順番を待っていた。私は当然、自分がそのままゴミ箱に向かうのかと思いきやなぜか店に入った。しかしこれには驚かない。これは私がたまに発動する『良心の呵責』で、エレベータのボタンを押す時、手をグにして中指で突っつくように素早く押したり、電車やバスのつり革を出来るだけ小さくく掴むのと同じで、私は不潔です。でも触ってスミマセンという『良心の呵責』。これだろう。何も買わないでただ捨てる事への配慮としてのフェイク行為だとしたら、私はやはり捨てる気でいるらしい。 

 

 次に雑誌コーナーで立ち止まった。そしてあろうことか私は空の弁当箱を持ったまま本を取ろうとした。タルタルソースが付着したら、その本を買わなければならないだろ。と訝しく見ていると、

 それなら買わされてもいい本を触ろう。ってなんだお前、それでも触るかよ! とこれには少し驚いた。全ての商品についてただの便利屋で専門店ではないという、コンビニに対する侮蔑が垣間見えた。もしこれが本屋だったら絶対にやらないだろう。私はバイク雑誌を手に取り、邪魔だから買う前にまずゴミを捨てようとして慌てて立ち止まった。このまま店を出ると、その瞬間に万引きが成立してしまう事に気付いたからだ。

 アブねぇ! と冷や汗をかいている。自分がこんな些細な犯罪にすらこんなにも潔癖症であるとは知らなかった。これには驚いた。こうして未確認な己の出自が次々と明らかになる中、このメモを書いた人がもし私の様なら、突然『死刑』なんて言う、ド不潔で巨大な悪の毒壺に突き落とされ、グイグイと首を推し沈められてやがて窒息死したのかと思うと少し気の毒になった。

 私は空の弁当箱とメモを持ったまま列に並び、持ったまま会計を済ませた。袋は? とも、ゴミ預かりましょうか?とも訊かれなかった。

 買いはしたが私にバイクを買う予定もお金も覚悟もなく、もはやそんなに欲しくもなかった。私が欲しいのは、無限の愛だけ。

 そう、無限の愛……。

 無限の愛はすべてを救うのだと信じている。それはどんな人にもその一端が必ず向けられていて、それに縋る事に対して、誰も警戒も躊躇も遠慮もすべきではないと考えている。限りある命に感謝する事は間違っている。命は時に残酷だ。苦しむために、バカにされるためだけに生まれてきたような命は、実際にたくさんいるじゃないか。

 コンビニを出ようとした時、同僚2人と鉢合わせた。

「お前、事業ゴミをコンビニのゴミ箱に捨てるなよ。文句出ちゃうからさ。そうしたら次から他のコンビニでも捨てられなくなるだろ」

 このバカなパラドックスに私は一切反応する必要はない。ただ……、

 街路樹やキラキラと光る車やバイクが私に優しくも冷たくもないのは、ひょっとしてこれこそが無限の愛だからかもしれないと思った。私の頭の中では、いつか死んだ、或いは、いつか死ぬ。という遠い記憶が常にガラガラと鈴の様に鳴り響いていて、私はその都度何かを考えているようでいて実際はその音を聴いているだけなのかもしれないし、それだけが正しいのかもしれないし、それしかできないのかもしれない。だからこの人も決して気の毒な人ではない。

 生きる事そのものにもともと特別な意味はなく、ただ無限の愛を感受するため金魚掬いのポイの様に渡されて、金魚を狙ったぞ!掬ったぞ!というあらたかな記憶だけが立ち枯れた様な街路樹やキラキラと光る車やバイクの中に永遠に閉じ込められて、時間はその永遠以外に何も保証しない。

 そして私は勢いよく捨てた。    


  第88章『縛られ日記』

 これ、日記でいいんですよね?

私が何をやるとか、やらないとか、そんな事ぐらいで、いいんですよね?ホントに。

 えっと……、じゃあ、始めます。

 あの大きな分岐点からあなたにはどれぐらいの時間が経っているのか私には知る由もありませんが、私は今、自分がほどなく、事象の中に融解してしまおうとしているのを、必死に食い止めようとしている状態なのです。

 あぁ、そうですよ。これは日記ですからね。パーソナルな。だから誰が見てもわかる様な事を書いたりしませんからね。あなたがここで、私に面と向かって座っていると仮定して、そしてあなたがあらかた私の事情を知っていると仮定して、それでも絶対にあなたにはわからないような出来事について、今から書くつもりですよ。

             *

 君は僕が今どれぐらい『努力』をしあぐねているかわかるまい。

毎日、君は飯を食ったりトイレに行ったりして、それ相応の時間を過ごしている事だろう。そして、それに付随した様々な行動を組み合わせて、さも上手くいってる、心と身体のバランスが良く取れていると、無意識な充実感に満たされているに違いない。でもそれは決して当たり前の事ではない。まったく考えてもみないのか? 自分が転びそうになった時、小さな何者かが、自分の足の裏で、うんと踏ん張ってそうならないようにさせたり、運転中に眠くて仕方がなくなった時に、わざとエロティックな想像をさせて眠らせないようにさせたりと。そいつの目的はなんだ?そいつの正体はなんなんだ? とは。

 

 私は自分が1人ごちた気付き、いるはずもない誰かの目を気にして、夜中の2時にきょろきょろと部屋の中を見回した。

それもこれも、昨日の何気ない質問が影響しているに間違いない。

 どうだい?もしも、もしね。この店に、もう1人アルバイト君が入るとしたら、君はどんな子がいい?

 私はそれとなく、『今の子』に訊いてみました。すると彼は、

 そうですねえ……、僕は正直、あまり人と会話するのが得意じゃないから、もしもう一人はいるなら、そういうの得意な子がいいですね。そうしたら、接客は全部その子に任せちゃいます。それで、僕は淡々と商品整理と金魚の水槽を掃除して過ごします。

 ははは、なるほどね。

 私は後ろ手に縛られています。あとはその、新しく入るアルバイト君を、どう構築するか。その子がもし、かつての『昔の子』であれば、私のこんな姿に、どうしたんですか?! と驚きの声を上げて私の手を縛っているロープを解いてくれるに違いありません。私達は、これまでも、これからもずっと仲良くやってきたし、やっていくはずですから。

 じつはね、君と一緒に、もう1人アルバイト君が、いた事はいたんだよ。 私は『今の子』にそう言いました。彼は、へぇ、と少し驚いた様子を見せました。私は、

 私達の記憶はさ、とても曖昧な物で、なんの証明にも証拠にもならないよね。ただ、個人的に、そういう印象を持った、という事に過ぎない。それがいくら具体的な記憶でもね。確かに見たんだ、確かに聞いたんだ、確かに触れたんだ、と幾ら声高に叫んでみても、誰もピンとこない。大概の幽霊や宇宙人がそれさ。

 ん~~~。

 じつはいたんだよ。もう1人、アルバイト君が。私は自らを落ち着かせるために、出来るだけ穏やかにそう言いました。

 それは、『昔の子』と言ってね。君と2人でこの店に来て、2人同時に働き始めたんだ。

ん、ん、ん、ん、ん。

 え?なぜ?いいんですよね、日記で、これは日記ですから。

 こういう形であなたがいつも中途半端に終わらせるから、人間はずっと一人の中に閉じこもって、出会いとか別れとか、生きるとか死ぬとか、そういうモノを、絶対に逃れられない事だと諦めてしまうのです。あなたがそうまでして必死に守ろうとしているそれは一体、何なのですか?

 私は続けます。

 その『昔の子』は、戦時中に、自分は餓死してしまったと、そう言ったんだよ。君は戦争の後に生まれたけど、彼は不幸な事に、戦争中の子供として生を受けてしまった。彼は小さな体で必死に生きようとしたけど、結局子供として死んだ。でも彼はその自分の記憶を、曖昧なモノとして、つまりちゃんとした形で理解しようとしていた。それが出来る場所を探しているうちに、同じ様な場所を彷徨っていた君と出会ったんだろうと、私は想像している。

 私が事象の中に融解してしまう事に必死に抵抗しているのは何も自分をこの世界に自分の記憶媒体として生き永らえさせたいためじゃない。この世界はウソじゃないけど、唯一の本当というわけでもないんだよ。じゃあ君は、記憶を捏造できると、本当に思うかい?

 材料も何もないところで、何か料理が作れると本気でそう思うのかい?

『昔の子』は、もういいんですよね。もう、ああすればよかった、こうすればよかったって考えなくてもすむようになったんですよね。俺達、そう言ってどこかの世界に向かっていった。そこに辿り着いたのか、まだ彷徨っているのか……。

 いや、残酷な事だが、彼に彷徨う事は許されないんだよ。『昔の子』と、私が彼を呼び続ける限りそれは不可能なんだ。それは誰も同じ、我々は、必ず固定されて彷徨う事はない。男、女、その他にも、我々は自分を離れて何かと何かの間を彷徨う事は許されないんだよ。トランスジェンダーの苦しみは、なにも社会的な弱者だからとか少数派だからとか、様々な権利の取得が困難だという事だけじゃない。我々はみな、彷徨えない事を苦しんでいる。それは同じ、おなじなんだ。

 だから理解できるはずなんだ。いや、もう理解しているはずなんだよ。それを出来なくしているのはこの固定。時間や空間の、せっかく持ち合わせた曖昧さを断固拒否しようとする何者かによる悪辣な固定。

あなたがそうまでして必死に守ろうとしているそれは一体……。

           

 なぜか、私の日記はここで終わってしまっているんですよ。


       第87章『冬至』

 風呂の時間が少しずつ長くなっている。それにつれて鼻まで湯に沈めて息を止めている時間も長くなっている。私は昔からそうして時間を正確に測ろうとする癖があります。きっと私の時間の単位はではなくて、この『息苦しさ』なのでしょう。

 私のせいで『昔の子』は消えました。それはどう考えても私のせいなのです。彼は私に、「もういいんですよね。もう、ああすればよかった、こうすればよかったって考えなくてもすむようになったんですよね。俺達」と言いました。彼のこの言葉は幾様にも解釈でき、謎も多いのですが私は一番単純に、彼がたくさんの可能性の中から自分の好きな一つを選ぶことを選んだ、と解釈しているのです。しかしそれはめちゃくちゃ難しい事で、今まで自発的に出来た人間は恐らく一人もいないでしょう。私はやめろと言うべきだったかもしれない。彼のためにも、私のためにも……。

 そんな難しい事、私に訊いたってわかるわけないじゃないか。私の店はもうない。道祖神も36歳の金魚2匹も消え、そして私はまた、いつか玄関の隅に不思議な抜け穴をみつけた時と同じ様にただの運転手として立ち止まったままでいる。あの時、私は消えてしまおうとしていたんだっけ……。ふと見ると、店のあった空き地には枯れ草がふわふわと地球の産毛の様に往生際悪く揺れている。産毛なんて、お前はもう、いないんだよ。そしていつの間にか訪れた冬が、私に彼と同じ選択を強いている。仕方がない、しばし、目を移そう……。

                   *

 一般に『夢を見る』というと、寝ている間の脳の活動により生じた反射作用を覚醒時の事象に当てはめ時系列に表現したモノをさすのだが、私とある一部の若者は、自分の将来やその可能性をさしていうようです。いえ、私は別に自分が若者と同じイキイキとした感性をこの年まで保持し続けていると自慢しているわけじゃないのです。それはむしろ逆で、若者の中にある薄気味悪い未発達な能力が、私にもまだ未発達なまま残っていてそれが日々事ある毎に往生際悪くイタズラをしてくる事を愚痴っているのです。

 私は未だに自分の現実と妄想をうまく分別できません。だって、妄想は常に自分の中にあるにもかかわらず、現実はそれを一切認めようとせず、もし披歴しようものなら俄然、手のひらを返したように我が物顔でその理念や創造に口やかましくリンクしてきやがるし、ではと口を開いてなにか発言しようものなら、今度はいきなりヘラヘラと腰を折って、自信なさそうにしてその妄想に場所を譲るのです。

 わかります? 簡単に言えば、「腹減った!」といえば現実はその方向に動くのです

 おかげで私は、自由気ままに、どんなバカバカしい妄想にもそれと気付かず突進してしまう事になるのです。それが楽しいか、理想的かというと決してそんな事はなく、実際は冷や冷やの連続で、明日にも何か重大なミスを犯して家族を路頭に迷わせるかもしれないという恐怖と戦い続けなければならなくなるのです。これは恐らく、若者のそれとは正反対の、未発達ゆえに動けなくなっている、恐らくは誰よりも老衰した姿と言えるんじゃないかと思うのです。

 目を戻します。

 私はもう一度、『昔の子』を探し出して、一瞬であの店を復活させようと目論んでいるのかもしれませんよ。かも知れない、と含みを持たすのは、私がまだ、昔の子と同じ選択を出来切れていない証拠です。

 私は自分の時間など1秒もありません。しかし時間は必要ありません。ただ私が彼に対して心の真正面から一言、『昔の子』と呼べばそれでいいはずなのです。それが唯一私が私の中の薄気味悪い未発達な部分を有効に使える方法だと思うのです。そしてどこかにいるはずの、迷いなく何かに取り組んでいるはずの昔の子を、またうちの店で『昔の子』として働かせるために引っ張り戻す、そのために私はありとあらゆる工夫と努力をしようと思っているのです。

もういいんですよね。もう、ああすればよかった、こうすればよかったって考えなくてもすむようになったんですよね。俺達」と、『昔の子』は言ったのですから、私もそれと同じ事を言わなければなりません。ただし、全く別の言葉で。

 暗くなる目の前を救命ボートが通り過ぎたのは一個の『柚子』でした。湯船に浮かんだ柚子の淡い黄色が私の様子を伺いに来たようでした。

 今日は冬至でした。もう少しでクリスマス、そして正月。なんとも、これの何処が現実だと言えるのでしょう。私はこの混沌をうまく利用して、自分の現実と妄想を、サッと入れ替えて、またいつか、誰も思いもよらない様な別の方法できっと、『昔の子』を見つけ出し、36歳の金魚2匹の住む水槽を掃除する『今の子』を呼び戻したいと思っているのです。

 立ち上がると少し眩暈がしました。こんな事をしているといつか本当に、妄想の中に落ち込んで出られなくなってしまうかも知れませんね。

 もうしばらく、判り難いです。ザラザラします。私だって頑張って手探っていますから、ぜひしばし、ご辛抱を。

保護猫『とのま』の一言成長日記2024。1月~2月


2/29(木)

今朝もまだ起きてきません。春眠暁を覚えず、はネコも同じ。ゆっくり寝てていいよ。今日で2月も終わり、はやいね、そしていよいよ明日は兄さんの合格発表だよ。家族全員で応援するよ。そして全部、今日も家族みんなでよろしくね!!

2//28(水)

 今朝はお寝坊。今起きてきました。(でも5時)今日も天気は良さそうだよ。外の出たいけど、お母さんの花粉があって、なかなか出してもらえないみたいだね。とのちゃんも花粉塗れになると、お母さんもモフって出来ないもんね。ちょっとだけ、わかってあげてね。今日も一日、家族みんなでよろしくね!

2/27(火)

 今朝はゆっくり目の起床。でもなぜか起きて早々、私の膝を、ねえねえ、とカリカリ。それ結構いたいんだけど。トイレ掃除したし、早朝ご飯も食べたし、今朝は大人しく二度寝に行きました。兄さんの合格発表まで、なんだか落ち着かないねぇ、家族みんなで応援を継続しますよ。今日も一日、家族みんなでよろしくね!!!

2/26(月)

 昨夜も、父ちゃんの足元で寝てたらしいね。すっかり父ちゃんの布団が気に入った?それならそれで、全然嬉しいけど、お母さんが、とのちゃん、取られた、って。暖かくなってきたらまた、お母さんのところと、父ちゃんのところを半分半分でもいいよ。今日も一日、家族みんなでよろしくね。

2/25(日)

 今朝はせっかく起こしに来てくれたのに、私が大寝坊。擦れ違いで今は2どねしてます。とのちゃん。ごめんね、せっかく寒い朝にわざわざ起こしに来てくれたのに、しかも今日は、お留守番。2重にごめんね。でも今日も一日、家族みんなでよろしくね。なるべく早く帰ってくるからね。

2/24(土)

 今朝はオーソドックスに鼻フック攻撃で起こしてくれました。今、6時10分。でも早朝ご飯を食べずに2度寝に行きました。お腹空いてないの?体調、大丈夫?今日は暖かいみたいだけど、様子をしっかり見ようと思います。今日も一日、家族みんなでよろしくね。

2/23(金)

 兄さんの受験も終わり、すっかりお母さんの布団で寝るようになったね。やっぱり、何かの『願掛け』だったのかな。『お百度参り』的な? 父ちゃんの布団で寝るのは、苦行だったのね。そのおかげで、うちのまねきねこが頑張って応援してくれたおかげで、こりゃ絶対合格だな。それにお母さんも喜んでたよ。帰ってきた!って。とのちゃんは家族が喜ぶ事しかしないね。ありがとう。ありがたいよ。今日も一日家族みんなでよろしくね!

2/22(木)

 今日からまた、お母さんのところで寝るようになりました。まるで、兄さんの受験の日まで、兄さんのちょっとそばで、でも兄さんの布団に入ると寝るのを邪魔するから、その中間で父さんの布団の上で見守ってました。という感じで。とのちゃんもお疲れさま、兄さんもお疲れさま、久々にゆっくりな週末を迎えられそうだね。今日も一日、家族みんなでよろしくね。

2/21(水)

 父ちゃんの布団で寝るの3日目。すっかりお引越し?その陰で、ずっと一緒に寝ていたお母さんが寂しがってます。今日、いよいよ、兄さんの受験だよ。天気はあんまりよくないけど、晴れて花粉が飛ぶよりもずっといい。家族全員で、Maxで応援するよ!今日も一日家族みんなでよろしくね!!!

2/20(火)

 昨日に引き続き、私の布団で寝る事にした様子。しばらく続くのかな。お母さんは寂しがってるけど、お父さんは嬉しい。つまりこれはきっと、福の神、招き猫とのちゃんが、兄さんの受験の成功を前祝してくれていると思う。そうだね、だって、受験は明日だもんね。あとは体調管理だけ。家族みんなで応援するぞ!今日も一日家族みんなでよろしくね!

2/19(月)

 昨夜は珍しく私の布団で寝たね。何で?兄さんが受験で緊張してるように見えたから、兄さんの布団に入ると寝るのじゃましそうだし、でも少しでも近くで見守ろうと思ったの?父ちゃんにはそう見えた。さすが、弟!弟の鏡!!兄さんはきっと大丈夫。合格するよ。家族みんなで応援しよう。そして今日も、家族みんなでよろしくね。

2/18(日)

 今朝はちゃんと、しかも2回も胸乗っかり攻撃で起こしてくれました。どうやら、どうしても早朝、猫草が食べたかったみたいで、まあ、まだちょっと伸びてないけど、あげちゃいました。それにしても、猫草好きだねぇ~あっという間にスポーツ刈りみたいになっちゃいましたよ。今日もいい天気、家族みんなでよろしくね。

2/17(土)

 今朝もちゃんと起こしに来てくれました。お腹が空いているのかと思ったら、どうやら「トイレ掃除して!」だったみたい。はいはい、しましたよ。早朝ご飯は完食。やっと週末だね、そして来週はいよいよ、兄さんの受験だね、家族みんなで応援するぞ!そして今日も一日家族みんなでよろしくね。

2/16(金)

 おや、今日も4時ピッタリに待っていたかのように起こしに来てくれた。ひょっとして、お腹がすき過ぎて寝れない??それは可哀そう。でも、ご飯の量は、色々調べて、あげすぎないようにしてるから、ちょっとだけ、早朝プレご飯を上げるけど、それ以外は早朝本ご飯まで待ちなさい。って、30分ぐらいか。今日も一日、家族みんなでよろしくね。

2/15(木)

 今朝は4時ピッタリに起こしに来てくれました。これは意外に久しぶりな事。最近寒かったもんね、これも季節が暖かくなってきたという事でしょうか。朝、お腹空いてるもんね、今は早朝ご飯も終え、二度寝に行きました。順調に春が来ている模様。今日も一日、家族みんなでよろしくね。

2/14(水)

 今朝はまだ夢の中。多分もうすぐ、小鳴きしながら起きてくると思います。日中は暖かくなってきたとはいいえ、朝はまだまだ寒いです。今日はバレンタインデーか。チュールでも貰う?いい日になりますよ。今日も一日、家族みんなでよろしくね。

2/13(火)

 今朝はまだ起きてきません。週の始まりだけど、火曜日です。得した気分。今週も、とりあえず今日も、健康健全で行きましょう。兄さんの受験まで、あと1週間。まあ、健康健全だけを気を付けて、正々堂々と挑みましょう。とのちゃんも応援してね。今日も一日かぞくみんなでよろしくね!!

2/12(月)

 今日は祝日の振り替え休日です。月曜日休み。とのちゃんは胸乗っかり攻撃でちゃんと起こしてくれましたよ。またか寒波が迫っていて、丁度この時間(6:00)ごろは竿燈へやぶでも積雪、となってます。今降ってんのかな、降ってても日が昇れば溶けるでしょう。今日も一日家族みんなでよろしくね。

2/11(日)

 今日は同時起床。早朝プレご飯と早朝本ご飯を食べて、もう二度寝?今日は母さんが一日いないから、ちょっと寂しいかもね。とのちゃんと兄さんと父さんでお留守番だよ。今日も一日家族みんなでよろしくね。

2/10(土)

 今朝は起こしてくれた、けど、1時間半も寝坊。なんだろう?今朝は妙にアクティヴだね。トイレ掃除しといたよ。お腹が空いたって、言うけど、食べたでしょ??早朝ご飯。 今日も一日家族みんなでよろしくね。

2/9(金)

 今朝はまだ寝てます、昨日は夜大はしゃぎだったけど、なに? 外からとのちゃんの声に呼応する鳴き声が聞こえたね。友達出来た?会いたいね、ゴメンな。外には出してやれない。それだけがなんとも、心苦しくて……。今日も一日家族みんなでよろしくね。

2/8(木)

 今朝はまだ就寝中。多分そのうち起きてくると思います。猫草、新しく植えたよ。寒いからあんまり伸びないね。多分来週の半ばにはたべられるかと。今日も一日、家族みんなでよろしくね。

2/7(水)

 今朝は同時。私ととのちゃんは同時に起きました。そう言えば、昨日もちょっと吐いてたね。どうしたんだろう。今朝もちょっとエサを残しがち。久々に猫草食べたからかな。古い猫草はもう処分するね。今日は天気がイイみたい。今日も一日家族みんなでよろしくね。

2/6(火)

 昨日の雪がまだ残ってます。今日はチェーン装着で出勤です。とのちゃんはまだ寝ています、昨日は雪に雷と、怖いやら興味津々やらで疲れているのかも、水換えたよ、今日も寒いよ。もうすぐ早朝ご飯だよ。モンスターイズゴーン、ダディーイズヒア。今日も一日家族みんなでよろしくね。

2/5(月)

 今朝はまだ起きてきません。今日はちょっとだけ早出、筑波だから。だから、早く起きてこないと出発しちゃうよー。何であれ、今日も家族みんなでよろしくねー。

2/4(日)

 今朝はちゃんと4時半に胸乗っかり攻撃でおこしてくれました。久々のスタンダードな起こし方に一安心。昨日夕方、ちょっと吐いたね。大丈夫??まあ、吐くぶんには大丈夫で、吐かない方が問題だと聞いたことがあるから。安心はしているけどね。最近すごくお腹がすく三田だから、慌てて食べないようにね、そして今日も一日家族みんなでよろしくね。

2/3(土)

 今日は週末恒例大寝坊、5時ぐらいに一回、とのちゃんが起こしに来てくれたのは覚えてるけど、そのままスルーしてしまいました。するととのちゃんは私の上をドスドスと歩きぬけてそのまま、二度寝したのかと思いきや、私が起きた6時半ぐらいに、私が起きると同時にリヴィングから、ニャ、と小鳴きをしながら入ってきました。  ナニ?! 君、おきてたの?

と意外なとのちゃんの朝の一面を垣間見ました。今日も一日家族みんなでよろしくね。

2/2(金)

 今朝はタッチの差で私の勝ち。何だか、めちゃめちゃ寒い、風が強い朝です。出勤、憂鬱……。そんな時もとのちゃんはいつも通り、ニャーンニャン、という、ご飯が欲しい時の鳴き方で、和ましてくれてます。早朝本ご飯まで、もうちょっと待ちなさい。今日も一日、家族みんなでよろしくね。

2/1(木) 

 今朝はきっちり4時に起こしに来てくれました。よっぽどお腹が空いていたと見え、すぐに早朝プレご飯を食べ終わって、今早朝本ご飯待ち中なんだけど、そわそわしてます。木曜日だね。そして今日から、2月だね、今年ももう、1/12終わっちゃったって事??早いね。じゃあついでに早いけど、今年も家族みんなでよろしくね。もちろん、今日も。

1/31(水)

 今朝はちょっと遅れてご起床。ニャ、と言い訳鳴きをして、早朝プチご飯を食べて今、どこにいる?多分早朝本ご飯まで、座椅子に待機しているはず。今日も一日、家族みんなでよろしくね。

1/30(火)

 今朝はちゃんと起こしに来てくれました。鼻フックで。あれ痛いんだよねぇ、おかげで一発で目が覚めるけど。今、早朝プレご飯の後、早朝本ご飯待ち中。いつの間にか、早朝プレご飯、なんてものまでゲットするようになって、飼い主のだらしなさが身に染みます……。今日も一日、家族みんなでよろしくね。

1/29(月)

 今朝はまだ寝てます。そのうち、ニャニャ、と小鳴きをしながら起きて来るモノと思われます。昨日は蒸し鶏をたくさんいただいたので、満足してくれたと思います。さあ、新しい一週間が始まったよ、今週も、今日も、家族みんなでよろしくね。

1/28(日)

 今朝もちょっと遅れで起こしてくれました。遠慮がちだったね。その30分前ぐらいに一回起こそうとして、辞めたのは、なぜ?そんなに眠そうだった?大丈夫だよ。今日もいちにち、家族みんなでよろしくね。

1/27(土)

 今朝はとのちゃん、何度も何度も起こしに来てくれたけど、私が大寝坊、今7時半……。とのちゃんはもう、2度寝中……。ちゃんと起こしに来てくれたのにゴメンね、ゆっくり寝てね、今日も一日家族みんなでよろしくね!

1/26(金)

 今朝も、ほんのちょっと遅く、小鳴きをしながら起きてきました。今日は、遅くないよね?と。そうです。私が15分早く起きただけで、とのちゃんは遅くないよ。今日も寒い朝だね、今日も一日、家族みんなでよろしくね。

1/25(木)

 今朝は私のちょっと後に起きてきて、猫草、まだなの? とちょっと訊いて、早朝プレご飯食べて、今座椅子の前で香箱座りしながら、早朝本エサを待ち中。昨日ほどではないけど、寒いから、食べたらすぐに二度寝に行くんだよ。今日も一日、家族みんなでよろしくね。

1/24(水)

今日はまだ夢の中、そのうち起きて来るかな。最近朝はちょっと暖かい気がする。あ、今お目覚め。ぼっとしてますね。まだ寝てていいんだよ。今日も一日家族みんなでよろしくね、とのちゃん。

1/23(火)

 今朝はなぜか、1時間も早く、体乗っかり攻撃、で奇襲攻撃してくれました。よっぽどお腹が空いていたのか。最近、よく食べるね。ちょっと太った??それは飼い主のせい。でもおねだりの鳴き声が可愛すぎてちょっと、あげちゃうんだよね。いかんね。今日も一日、家族みんなでよろしくね、とのちゃん。

1/22(月)

 今朝は私のすぐ後に起きてきました。また月曜日です。昨日は結局、雪降らなかったね。よかった。雪は綺麗だけどあとが困るもんね。そしていよいよ今週は兄さんの私立の受験があるよ。家族全員で応援するよ。今日も一日、家族みんなでよろしくね、とのちゃん。

1/21(日)

 今朝もちゃんと4時半に起こしに来てくれました。今日は雪予報が出てるよ。寒いよ、それでもベランダ出たい??出てもいいけどすぐ帰ってくるんだよ。今日も一日、家族ともどもよろしくね、って、いっつも書いてるけど、当然、とのちゃんも家族の一員だから、今日もみんなでよろしくね、に変えようと思います。

1/20(土)

 今朝は土曜日でアラームが鳴らないのにちゃんと4時半に、私が目を覚ますのと同時に起こしに来てくれました。私が目を覚ますのを待っていた様子。早朝ご飯食べて、もう2度寝に行った様子。明日、関東にも積雪の予報です。寒くなるよ、今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

1/19(金)

 昨日は久々に起こしてくれたのに、今日はまだ夢の中。水換えたよ、トイレ掃除したよ、でもゆっくりね。今日は金曜日だから、とのちゃんには関係ないけど、明日から週末だよ。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

1/18(木)

 今朝は久々に起こしてくれました。3時半に。ちょっと早かったのでアラームが鳴るまで待って、4時に起きました。とのちゃんはちゃんと4時にも起こしに来てくれました。30分、寒いリビングで待機してたのかな。やっぱり起こしてもらった方が気分がいい。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

1/17(水)

 さ、週の真ん中、水曜日、とのちゃんはまだ夢の中です。また目がちょっと赤くなってきたので、昨日は久々に目薬をしました。大嫌いなんだよね、目薬。でももうちょっと、辛抱だよ。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

1/16(火)

 今朝はまだ起きてきません。最近仕事から帰っても布団の中から出てこず、よっぽど寒いんだなぁ、よっぽど寒いのが嫌いなんだなぁ、やっぱり、とのちゃんも、猫なんだなぁ、って思います。多分そろそろ起きてくる。水換えといたよ、もうすぐ、早朝ご飯だよ、今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

1/15(月)

 今朝は久々に4時半に起きてきましたとのちゃん。早速早朝ご飯を平らげて、今、エアコンの暖かい風が当たるところでまどろんでます。また月曜日がやってきました。今週もよろしくね、あと10日で、兄さんの一回目の受験だよ。いよいよだね、家族総出で応援だ!そして今日も、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

1/14(日)

 今朝はひさびさにおこしにきてくれました。1時間遅れだけど……。そして早朝ご飯をちょっと、残して早々に2度寝に行きました。ホント、私を起こすためだけに一回起きてくれているようで申し訳ないねぇ、昨日ちょっと雪が降ったよ。今日も寒そうだけど、天気晴朗。そして今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

1/13(土)

 今朝は私の方が大寝坊。とのちゃんが近くで、ニャ、と小鳴きしてるのは聞こえたけど、目が覚めなかった。水換えたよ、ずいぶん減ってたね、ごめんな。土曜日はみんな寝坊だね。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

1/12(金)

 今朝も、まだ就寝中……。昨日辺りから朝晩、グッと寒くなってきたので、とのちゃんにも風邪などひかせぬように注意しなければ、最近、やたらお腹がすくみたいで、おねだりがしきり。でもちょっと、太ってきた気がする。そりゃそうだよね、外に出たくても出してもらえないんだから、ストレス太り??それだけは本当に申し訳ないと思ってる。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

1/11(木)

 今朝もまだ寝てますね。冬場は開店休業だね。いいよ、ゆっくりね。水換えといたよ、後は、トイレも。今朝もいいウンチでした。今日も一日、家族ともどもよろしくね。とのちゃん。

1/10(水)

 今朝もまだ起きてきません。ゆっくりね。とのちゃん。猫草、まだもうちょっただったけど、あげちゃった。瞬殺だったね。新しいのを植えたから、もうしばらく待ってね、冬はなかなか伸びなくて……。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

 

1/9(火)

今朝は、まだ起きてきませんね。昨日は兄さんの友達が2人も来て、緊張状態が続いた事でしょう。お疲れ、とのちゃん、ゆっくり起きておいで、早朝ご飯もうすぐ出るよ。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

1/8(月)

 今朝はまだ、起きてきませんね。おやすみ、多分あと数分したら、申し訳なさそうに、目をしばしばさせながら、あの…ちょっと、寝坊しました。みたいに、ニャ、と小鳴きして起きてくると思います。それも楽しみです。可愛いとのちゃん、今日は兄さんの友達が来るらしいから、父さんと母さんはお出掛けします。何でも一緒に追い込みの勉強をするらしい。とのちゃんも、緊張しないで。そして今日も一日、家族ともどもよろしくね。とのちゃん。

1/7(日)

 今朝も私の勝ち!とのちゃんはしばらくして起きてきたところを私とバッチリ目が合って、ちょっと、気まずそうにした後、いい訳スリスリ。言い訳する事ないんだよ。早朝ご飯、出てるから、食べな。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

1/6(土)

 今朝は大寝坊の私。とのちゃんが起こしに来てくれた、記憶はあるけど起きられなかった……。初日、一週間ぶりの仕事が結構しんどかったのかもね。以前の様に早起きしないと。今日も一日家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

1/5(金)

 いよいよ今日から出勤。とのちゃんは切り、起こしてくれました。でもすぐ二度寝。いいよ、今日も天気良さそうだしゆっくりしなよ。今日も一日、そして今年も一日ずつ、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

1/4(木)

 今朝はナント2時間寝坊。とのちゃんが起こしてくれなかったら、さらに寝坊していた事でしょう。明日から仕事なので、その辺の体内時計はリセットしなければ。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

1/3(水)

 今朝は、一時間遅れで起こしに来てくれました。鼻フックで。まずはトイレ掃除して欲しかったみたいで、早朝ご飯そっちのけでスリスリアピールしてきました。トイレ掃除完了!!今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

1/2(火)

 おはよう、今日も私がちょっと早い、三賀日、松の内はお寝坊で。今日は箱根駅伝の往路があるんだけど、北陸で大地震が発生して、そっちも気になるところだね。とのちゃんはゆっくりね、今朝も早朝ご飯もそっちのけで2度寝中。今日も一日、家族ともども、よろしくね、とのちゃん。

1/1(月)

あけましておめでとう!とのちゃん!2024年も家族ともどもよろしくね!今朝も、ちょっと遅めに、6時ぐらいに起こしに来てくれました。元日ぐらい、ゆっくりしようぜ!!そして今年も、家族ともどもよろしくね、とのちゃん!

保護猫『とのま』の一言成長日記2023。11月~12月



12/31(日)

 今朝は、私が大寝坊で、とのちゃんは一度、起こしに来てくれたものの、諦めて今は2度寝中です。今日が今年最後の日だよ。今年一年、あと一日あるけど、ご苦労様でした。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/30(土)

 今日は晦日というよ。今年のラストツーの日だよ。今朝もちょっと遅れて、ニャ、と小鳴きして、早朝ご飯食べて早々に二度寝に行きました。今年は兄さんの受験やら、いろいろ用事もあって、留守番を頼む事も多かったけど、頑張ってくれました。ありがとう、とのちゃん、今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/29(金)

 今朝は久々に起こしてくれたけど、早朝プレご飯を少し残して速攻、二度寝に行きました。そんなに眠いのに、さすがにずっと起こしてないという、猫の矜持とでも言いますか、今日は絶対に起こす!という気合のようなモノを感じました。眠い時は、寝てていいんだよ。とのちゃん、目の具合はどう??今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/28(木)

今朝も、お寝坊さん、さっき起きてきて、しばらくスリスリした後、今早朝ご飯中。寒いから、食べたらまた、二度寝に行くんだよ。お義父さんの仕事も今日まで、一年間、お疲れさま、そしてこれからも、とりあえず今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/27(水)

今朝も私の方が早かった。もう、眠くて仕方がないのか、目をしばしばさせながら、ニャ、と一言言い訳して起きてくるのがまた可愛いですね。早朝ご飯食べて、今朝は早々に二度寝に行きました。目の具合は、どうだろう。大嫌いな目薬頑張ってます。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/26(火)

今日も私が起きるのを聞いて慌てて起きてきました。昨日はあまりに欲しがるので、まだちょっと伸び切ってないのですが、猫草、あげちゃいました。冬はなかなか伸びないから、年内はこれが最後かもよ。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/25(月)

 メリークリスマス!とのちゃん。昨日は病院、お疲れさまでした。大人しく診てもらえたね。偉かったよ。今朝はちょっと寝坊。まあ、クリスマスだし、ゆっくりね。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/24(日)

 今朝はちゃんと4時に起こしてくれました。イヴだよ!起きなさい!ってね。イヴか、今日はとのちゃんにも、いいプレゼントあるかな?今は2度寝に行きました。ちょっと目が赤いんだよね。だから今日、病院に行くつもり。とんだプレゼントが舞い込んできた!!病院、大嫌いだもんね。でも頑張って!今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/23(土)

 今朝は30分遅れで起こしに来てくれました。やっぱり、冬の朝はネコでも辛いんだね。早朝ご飯の前の、一つまみご飯を食べて早々に二度寝に行きました。早朝ご飯が出てきたのに、出てきません。相当、眠いんだね。いい事だよ。寝るのはネコの仕事だからね。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/22(金)

今朝は寒いのにちゃんと起こしに来てくれました。しかし、寒いね、今日は冬至だよ。寒い訳だよ。さて今週末はクリスマスイヴ、何して遊ぶ?今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/21(木)

 今朝もタッチの差で私の勝ち!とのちゃんは慌てて起きてきました。寒いからね、早朝ご飯食べて、サッサとお母さんのところに戻りなさい。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/20(水)

 今朝はしっかり起こしてくれました。もうね、寝坊は絶対許さない!という気合にみなぎった起こし方。やっぱりとのちゃんはこうでなきゃね。寒くなってきたから、サッサと二度寝に行きなさい。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/19(火)

 今朝は、ちょっと早めに一言、ニャ、と言ったきり。そしてやや遅れて私が起きると、リヴィングから、ニャニャ、といって走り込んできました。最近、ちょっと、遠慮がちな日が増えてきた。そんなに、疲れて見える??大丈夫だよ。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/18(月)

今朝はとのちゃん、完全に、お寝坊さん。起きてきて、早朝ご飯食べたら、早々に2度寝に行きました。相当眠かったみたいです。でもちゃんと、一応起きてきてくれるんだね。律儀だね。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/17(日)

 今朝もちゃんと起こしに来てくれました。本当は私も二度寝しようと思ったんですが、とのちゃんは、起きなさい!って、鼻フックでそう言ってくれました。今は朝の徘徊中。ひょっとして、ベランダ出たい??まだ真っ暗だよ。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/16(土)

 今朝はちゃんと、鼻フック、顎髭抜き、乗っかり、3代作戦を駆使して起こしてくれました。よっぽどお腹が空いてたのかと思うと、遊びたかったみたい。朝からハイテンションでしたが、今は2度寝に行きました。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/15(金)

 今朝もお寝坊、寒いもんね。今は起きて、早朝ご飯の後のトイレタイムです。あ、トイレ、掃除してなかった!ゴメンな、今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/14(木)

 今朝は、早出なので、早く起きようか迷っていたら、迷うことなくとのちゃんがちょっと早めに起こしに来てくれました。そうか、じゃあ起きよう!と起きました。今日もとのちゃんは元気そう。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/13(水)

 何だかここ数日、私の方が早起き。とのチャンもお疲れモード。でもウンチは健康的なので、安心してます。最近、朝のトイレ掃除が日課になってきました。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/12(火)

 今朝は珍しく、私が起きても起きてきませんでした。眠かった?そういう時のバツの悪そうな顔がまた、朝から可愛かったりします。ちゃんとそういう顔するんですよ。ホントに。早朝ご飯も済んだ様子、今日はすぐに2度寝しな。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/11(月)

今朝は4時ピッタリに、胸乗っかり攻撃で起こしてくれて、その後、早朝ご飯食べて、すぐに二度寝、それでいいんだよ。いいペースだよ。もう年末だね、うちに来て5回目の年末だね。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/10(日)

 今朝は寝てよう、と思ったけど、とのちゃんが起こしてくれたから、やっぱりいつも通り起きる事にしたよ。最近、とのちゃんは、早朝ご飯が待ちきれない様子。太った? 天高く、馬肥ゆる秋は、猫だってお腹がすくもんね。というかもう冬だよ。師走だよ。今年もいろいろありました、色々ありがとう。そして今日も一日、かぞくともどもよろしくね、とのちゃん。

12/9(土)

 今朝はゆっくり8時まで寝る、と決めてたんですが、どうにも習慣とは怖いモノで、おまけに真面目なとのちゃんが起こしに来てくれたもので、結局同じ時間に起きてます。でも身体は疲れてるんだよね~。昼寝するかな。今日も一日、かぞくともどもよろしくね、とのちゃん。

12/8(金)

 今朝も、様子見。そして私が起きようと伸びをした声を聞いてから、ニャ、と小鳴きしながら起こしに来てくれました。確かに、今週は妙に疲れた。明日はゆっくりするよ。とのチャンも、あ、久々に耳の中診察させて。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/7(木)

 今朝は起こしてくれませんでした。どうやら、私がお酒を飲んだ次の日は、起こさない、つまりそれだけ、体が疲れているのを、とのちゃんは察知している様に思われます。今日は禁酒日、明日の朝は起こしてくれるでしょうか。今日も一日、かぞくともどもよろしくね、とのちゃん。

12/6(水)

今朝は、しっかり、胸乗っかり攻撃と鼻フック攻撃で起こしてくれました。やっぱり、彼なりの基準があるみたい。良し!今日は起こしても大丈夫! みたいなの。今日の私は元気そうなんだね。よかった。今日も一日、かぞくともどもよろしくね、とのちゃん。

12/5(火)

 ここ数日、起きているのに起こしてくれない。なにやら、とのちゃんなりに方針転換した模様。ジッとリヴィングで私が自発的に起きてくるのを待っているみたい。もう甘やかさない、という事?わかりました。頑張ります!今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/4(月)

 今朝も、私の方が早いと思ってたら、私より先に起きてリヴィングにいたんだね。今日はあえて起こしてやらなかった、という事?昨日はお母さんが出掛けてて、ちょっと不安だったのか、お昼寝してないもんね。早朝ご飯食べて、十分2度寝しな。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/3(日)

 今朝もちょっと早めに、ニャ、とひと鳴きしてから胸乗っかり攻撃で起こしてくれました。今朝は早朝ご飯の後、素直に二度寝に行った模様。今日は兄さんも母さんもお出掛けで、2人でお留守番だね。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

12/2(土)

 今朝は30分ほど早く起こしに来てくれたので、ついでに起きてしまいました。30分得した気分です。とのちゃんは、早朝ご飯の前の早朝おやつ食べて、二度寝に行った模様。おやすみ、ホントに、私を起こすためだけに早起きしてるようです。今日も一日、家族共々よろしくね、とのちゃん。

12/1(金)

今日は私が1時間早いため、私の起きるのを聞いて慌てて起きてきました。いいんだよ、とのちゃん。朝はゆっくりで、今日から12月だね。クリスマス、楽しみだね。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/30(木)

 今朝は遠慮がちだけど計3回、起こしに来てくれました。珍しいな、と思ってたんですが、どうやら今日は、本当にお腹が空いていたみたい。早朝ご飯の後、まだ5時過ぎなのに、暴れまわってます。今日も元気だね、今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/29(水)

 今朝は30分早いのに、ちゃんと起こしてくれました。いきなりアラームが、30分早くなったものだから、慌てて起きてきた感じが、朝から可愛かったです。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/28(火)

 今朝は目覚ましと同時に、飛び乗って起こしてくれました。こういう時は何か要求があるのかな、と思って見たら、トイレが・・・・・。ごめんね、こんな汚くちゃ、したくないよね。早朝から、トイレ掃除しました。今朝は寝ないで足元をウロウロしてます。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/27(月)

 今朝は私の方が先。でもやっぱり起きてたみたいだね。最近は、私の様子見をする事にした様子。そんなに疲れて見える??確かに疲れてるんだけどね。でも大丈夫だよ。とのちゃんみたら疲れなんて吹っ飛ぶから。今日も一日、家族ともどもよろしくね。とのちゃん。

11/26(日)

 今朝は起きてたのに、起こしに来てくれなかったね。私が起きたら既にリヴィングにいて、ニャ、と一言。ホント、今日が休日だってわかってるみたいだね。天才ネコかな?人間と暮らしてるとそういう事は、野生の勘で判るようになるのかな。今日もいい天気だけど、寒い朝です。今日も一日、かぞくともどもよろしくね、とのちゃん。

 

11/25(土)

 今朝はちゃんと、ピッタリ4時に起こしに来てくれました。土日はアラームが鳴らないから、とのちゃんの体内時計頼り。猫草、買ってきたけど、それほど食べないね。やっぱり、お父さんメイドの、オーガニック猫草じゃないと美味しくない?? グルメだね!今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/24(金)

 今朝も同時。だったかな。変な感じの金曜日だけど、明日から週末、何して遊ぶ?今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/23(木)

 今朝もちゃんと起こしてくれました。そうだね、猫草ね。全然伸びてこないね。食べたいね。じゃあ、今日、買ってくる。今日はお休み、いい天気だね。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

 

11/22(水)

 今朝はちゃんと起こしてくれました。この前植えた猫草がどうやら失敗したみたいで、全然芽が出てきません。とのちゃん、猫草が食べたくて食べたくて、じゃあ、買ってくるかな。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/21(火)

 今朝も私の勝ち!!とのちゃんは5分遅れでお目覚めでした。でもその代わりのつもりか、今朝は二度寝はせずに、そばでジッと、香箱座りしてます。反省……。みたいに。反省する事じゃないからね! とのちゃん、朝は寝てるもんですよ。本来。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/20(月)

 今朝は、今、のっそりと起きてきました。ゴメン、寝坊した……。みたいに。

いいんだよとのチャン、眠い朝は寝とけばいいんだよ。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/19(日)

 今朝も30分遅れの休日バージョンで起こしに来てくれました。でも今日は私が1階の作業部屋ではなく、2階のリヴィングで作業しているせいか、大人しく早朝ご飯の後、2度寝に行きました。やっぱり、寒いところで作業している私を気にかけてくれているのか?優し過ぎます、とのちゃん。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/18(土)

 今朝はちょっと遅めに起こしてくれました。私も寝坊。とのチャンも、寝坊。でもちゃんと起こしに来てくれるなんて、偉いね。とのちゃん。ひょっとして、家族で一番偉いかも。可愛いし、賢いし、優しいし、元気だし、見習おう!!今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/17(金)

 今朝もちゃんと4時に、寒いのに、ニャ、と小鳴きしながら、後は、サイレントニャーしながら、起こしてくれました。でも今朝は大人しいです。やっぱり寒いからかな。風邪ひかないようにね、お母さんの布団で暖かく寝てなさい。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/16(木)

 今朝も目覚ましと同時に起こしに来てくれました。猫草?猫草が欲しいのだね??でももうちょっと、もうちょっとだけ待ってね、まだ全然生えてない。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/15(水)

 今朝は全く反応なし……。あとでのっそり起きてきて、あの、今日は、ちょっと、起こせませんでした……、というスリスリを2~3回、早朝ご飯の後はお決まりの座椅子でジッとまどろんでました。体調は、大丈夫?眠かったら寝てていいからね。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/14(火)

 今朝も上乗っかり攻撃で、静かに起こしてくれました。寒いのに、毎朝早起き、ご苦労さん。今も作業部屋に入って来て、ひと鳴きして、出ていきました。遊んで欲しいんだろうね。でも寒いからとのちゃんも、お母さんの所に行って2度寝しな。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/13(月)

 今朝も4時10分前に、ニャ、と小鳴きして起こしに来てくれました。最近はしつこくしないね。寒いから? それとも、私の自主性に任せる事にしたの? もう、子供じゃないんだから。って? とのちゃんはもう少し寝てなさい。いいよ、寒い朝はゆっくりで。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/12(日)

 今朝は4時前に一度、一回、ニャ、と言ってそのままいなくなりました。そして私が4時少しすぎに携帯を見る音を聞きつけて、今度はニャにャと2回言って、起こしに来てくれました。ひょっとして、ずっと待ってた?寒いのにゴメンな。昨日の夜、ちょっと戻してたね。しんどかった?今日はゆっくりしなさいよ。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/11(土)

 今朝も目覚ましアラームが鳴らない土曜日に、ちゃんと4時に起こしに来てくれました。何で時間がわかるんだろう、何かと、のんびり屋でルーズなイメージのあるネコですが、体内時計は正確なようです。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/10(金)

 今日も、4時ピッタリに起こしに来てくれました。ひょっとして、ちょっと前から起きて、スタンバってる??わたしを?起こすために?? そうか、ありがとうね、とのちゃん、明日あたり、新しい猫草、食べられそうだよ。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/9(木)

 今朝はちゃんと、胸乗っかり攻撃、で起こしてくれました。でも最近、朝は眠い様子。寝てていいからね。父ちゃん、ちゃんと一人でも起きるから。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/8(水)

 今朝も、お寝坊しましたね?君。でも、慌てて起きてくる感じもとても可愛いので、許可します。今朝は何だか寒いもんね、早朝ご飯食べて、2度寝しな。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/7(火)

 今朝はちゃんと、4時に起こしてくれましたよ。あ、今部屋に入ってきました。退屈??最近、朝はよく、遊べ、俺と、遊べ! って部屋に入って来るね。あ、出ていきました。やっぱり、お父さんの部屋はあんまりおもしろくない……。って感じですね。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/6(月)

 今朝も4時少し前に起こしに来てくれました。そのあと何回か私の作業部屋に遊びに来ましたが、イマイチ、面白くないらしく、サッサと出ていったり、またやってきたり、朝の時間、ひょっとして、退屈??今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/2(木)

今朝もほぼ4時ジャストに、『襖ガリガリ攻撃』で起こしてくれました。私が起きないと襖がどんどんボロボロになるという、圧力のかかった起こし方です。出来たら、それは、辞めて欲しいよ。とのちゃん……。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

11/1(水)

今朝はなぜか2時半に一回起こしてくれた。賢い君の事だから、何か事件でもあったのかと思ったけど、別にそう言いうわけじゃなかったんだね。目が覚めちゃった?今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

『いきてるきがする。』《第14部・秋》



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第86章『焚火の燃料』

 大きめの制服がなんとも可愛いね。この同じズボンが今はもうつんつるてんなんだから、ホントに背が伸びたね。お前は大きくなったって全然変わらない、賢くて可愛いよ

 もし母親というのなら、きっとこういう気持ちを言っただろうな……。写真を火にくべながら俺は独り言ちる。玄関先に吹き集まった街路樹の枯葉を疎ましく思い、木枯しに目も痛くかなりいらだっていた俺はいっそ集めて庭で火を点けてやれと、やってみるとこれが邪悪な程よく燃えた。近所から苦情が来るに違いないが、逆にそれまでのタイムリミットが俺を無邪気に急き立て、過去の写真を全て燃やしてしまうというアイディアを思いつかせた。

 勝手な想像し続けるのももう疲れた。だって、想像の世界にはウソも本当もないんだから。これは本当に疲れるぞ。もう辞めたい。でも俺はもう想像の中でしか生きられれない。『今の子』『昔の子』も最近は何処にいるのかわからない。目の前の枯葉だって、きっと俺を騙しているに違いない。俺が枯葉を燃やしているなんてウソ、俺は妙な衝動に駆られ、枯葉を燃やさせられ、そのうちこの炎に飲み込まれて近所の家ごと焼失されてしまう。ただその事を俺は知らないだけだ。俺はきっとそんな判断をしたんだろう。ドバっと更にくべると、火はますます強く燃える。

 お前らには関係ないかもしれないが、この写真は俺の大切な思い出なんだぞ。俺が俺として生きてきた、その残酷な証明写真なんだぞ。

 自分には子はいない。妻も。家族も。

 親はいたけどもう死んだ。それにあれは一つ上のカテゴリーだ。俺を子供と位置づける別の家族。あんなモノ、俺は自分の家族とは認めない。 突然水槽に放り込まれた虫の様に、俺はあの家族に突然放り込まれ、他の家族にはない甲羅や羽根や触覚をじたばたとさせていただけだ。魚たちが悠々と当たり前のように泳いでいるのが見えた。そうだ、そうだよ、これが家庭だよ。家族だよ。そして俺は……。

 何より残酷だったのは、その魚の誰一人、俺を食べようともしなかった事だ。その理由は、不味そう。ただその一言に尽きる。

 そしてあの夫婦が死んだ時、俺の夢はふと覚めた。

 俺はいつも1人ではなかったし、病気の時は病院に連れて行ってもらい、運動会も、修学旅行も、高校も、大学まで行かせてもらった。そのすべてはあの夫婦の計らいだ。あの夫婦のせいではない事は何もない。そんな事、俺だって重々承知している。でも、まさか、煮ても焼いても食えないような虫が、突然茶碗に落ちて来るなんて、気の毒な夫婦だ事。

 だから俺は今、その罪滅ぼしに、自分の子供の頃の写真に向かってこんなみっともない事を言っているんだと思う。

 人間はね。誰かに可愛がられなければ誰も可愛がれないんだよ。そういうルールなんだよ。システムなんだ。開けっ放した玄関から、飼い猫がこっちを覗いている。おい!こんな寒い日に外に逃げだしたりしたら、きっと後悔するぞ。お前はいつも外ばかり見てニャーニャーと恨み言を吐くが、外だってお前が考えるほどいい場所じゃないかもしれないぜ。それが証拠にこの俺だ。突然放り込まれた家族でも、放り出された瞬間、写真以外のアイデンティティーをすべて見失ったのだから。

                  *

  ある科学者がこんな実験をしたらしい。 

 人間は、ひとりでに笑うのか。

 1人の赤ん坊に対し、接する大人は決して笑顔を見せない。つまり笑顔を教えないのだ。それでも赤ん坊はひとりでに笑うのか。

 実験の結果、赤ん坊はひとりでに笑ったらしい。

 この実験からわかる事が2つある。1つは、笑顔は習うモノではなく元から備わっていたという事。

 そしてもう1つは、神はいない、という事だ。

 人間は少しも尊くない、いる価値もない存在だと、この実験が証明してしまったのだ。

 笑顔は神の手から離れ、一片のパンと一緒に1人1人に配られた。

「どうも『猿も笑う』って話を聞いた時から、私も怪しいと思ってたんですよ」その話をすると、隣で飲んでいた浅黒い男も賛同してくれた。

この男はのちに行方不明になるのだが、その事をこの時はまだ知らない。そして、

「神様がいりゃそんでよかったのに……。得のないモノを価値のないモノとする、悪い癖ですよね」とも言った。飲んべえが偉そうな事を言う、そう思ったが確かに、この男が自分に得があっても価値のない酒を飲んでいる事は間違いなかった。

 満面の笑みを浮かべて母親と思しき若い女に抱かれた俺と思しき赤ん坊の写真が縁から焦げて丸まってやがて浮遊した時、

 ちょっと、何やってんのよ! と声がした。振り向くとネコを抱えた妻が立っており、ちょっとやめてよ、近所から苦情が出るじゃない! と窘めた。

 思わぬところからまず苦情が出た。近所から苦情が出るという苦情が出たのだ。近所から苦情が出るまでのタイムリミットを迎える前にタイムリミットが来た。私の頭は昏倒し、慌てて火を消した。なんて事をしてしまったんだ!

 燃えた写真は1/3ほどで2/3は救われた。神がしっかりと私の思い出を守った、そうに違いない。

 私には少しも価値がなくても、偉くなくても、私の思い出には相当な価値がある。それは親の思い出でもあって、家族兄妹の思い出でもある。

赤の他人でない以上、得がないから価値もない、という事はあり得ない。

なに燃やしてたの? と妻に訊かれ、あぁ、枯葉枯葉。と言った時、私はこれまでにない程の大きな感謝の意を街路樹たちに示したことになった。

   

85章『大きめの赤いチカチカ』

 この店をデザインしたトートバッグをなぜかいたく気に入った様で、

息子はそれに勉強道具を入れて毎週、火曜、木曜、土曜と自転車で塾へ向かうのですが、私はその後ろの籠に、ちょっと大きめの明るい赤いチカチカを付けました。息子は一言、カッコ悪ぃ~! と言いました。

 そりゃそうかも知れないですが、でもやはり町にはどこにどんな鬼畜な輩が潜んでいるかはわかりませんし、だいいち、夜暗くなると車からも見えにくくなってとても危険です。昨日も17号で轢死した猫の親子を目撃しました。おそらくは親子。同じ白とキジトラの大きなのと小さいのがもうね、ただの肉と化して鴉に啄まれていたんです。ネコでよかった、なんて私は少しも思いませんよ。たまたまネコだった、ただそれだけの事です。予感なんてあろうはずがありません。そうして私の賢明ではない頭はまた、誰も望まない、ありもしない不躾な枝分かれを目の前に示してくるんです。どうです? これはどういう事です? なんてね。全く、意地が悪いんだか親切のつもりなんだか……。そして徐々に浮かんでくるその最悪のシナリオが毎度毎度私を脅し、ジッとさせてくれないのです。

              *

 練馬区に住んでいた10年ほど前、私は時々妻と息子と近所の風呂屋に行ったのですが、その日も丁度今日の様な気候でしたか、外に出ると少し肌寒かったので、私は湯冷めをさせないようにと息子にパーカーを着せようとしたのです。しかし風呂上がりでまだ身体が暖かかった息子はそれを嫌がり、私の手を振り払って走り出したのです。ほら危ないよ! 止まんなさい!そう言ったのですが息子はすぐそばの角を曲がってそのまま行方不明になったのです。

 時間にして10分……、いや5分? そんなモンだったと思いますが、

 私はその瞬間、全世界の全モラルと常識を疑いました。というか見失いました。そして、

 聞いてる?神様、もし、もしね、万が一にもね、息子がこの僅かな間に鬼畜な野郎に連れ去られ、面白半分に殺されて、どこかの川に捨てられて変わり果てた姿で見つかったりしたら、俺は犯人じゃない。

 アンタをぶっ殺すよ。

 裏口からゴミを出しに来た、風呂屋の向かいのイタリア料理屋の主人まで、私はきっとそんな顔で見たのでしょう。怪訝そうに店に入っていかれました。私にはもう、神様もイタリア料理屋の主人も何も変わらなくなっていたのです。だからいつもサラサラと心地いい音を鳴らして揺れてくれる、神社の欅の巨木さえももう、月か何かの影でしかありませんでした。

 そして1秒が、10年……、30年……、50年と延長していったのです。

 いつしか私の背中は曲がり、クタクタに年を取った妻はもう座椅子から離れません。2人とも今朝食べたモノも忘れて、シンクにはただその痕跡を残す食器だけが細く水を垂らされて重なっています。

 季節外れに実を付けたトマトを摘むため庭に出ようと、私が2階のリビングから庭に降りようとした時、その時は突然訪れました。私がずっと否定し続けていた、そして神様がずっと私に押し付けようとしていた事実がいよいよ完全に崩壊したのです。階段を踏み外した私は転げ落ち、あっけなく命を終わらせたのです。

 こんな死に方って、あるかよ……。

 いいえ。私はその時をずっと待っていたのです。私がこれまでずっと生きてきたのは、あの時、行方不明になった息子を待っていた、ただそれだけなのです。警察から何度か遺体の確認を依頼されましたがすべて無視しました。当たり前です。なぜって、じゃああなたならどうします? いきなり警察から「息子さんと思われる遺体が発見されたので確認をお願いします」なんて電話が掛かってきたら。

「え?息子は今、目の前でゲームやってますけど……。」そう答えるでしょ? それは私の耳に息子が興じるゲームの音が聞こえている限り間違いのない事なのですから。

 妻にも絶対に応じるなと厳命しました。妻は私に従ってくれました。

 いいかい。私達にとって必要なのは神なんかじゃない。息子だ。息子がいる世界だけをずっと生きていく事が私達に必要な事なんだよ。その努力するのに何をためらう理由がある? 私は息子の帰りをほんの5分、いや数十秒待っている、ただそれだけだ。その他には何もない。

 私はもう90歳を超えていました。我ながらよく生きたなぁと思います。

 全然、神様を殺してないじゃないかと、そう思われた方も多いかと思います。でも私は確かに、神をぶっ殺したのです。

 只今ぁ、と、息子が帰ってきました。

 ほらごらん! そして私はそんな息子の声を聞きながら、あぁ、私の勝ちだ。私は決して諦めなかった。だからこうして、たかが50年の時を過ごしただけでまた、あの時、風呂屋の角に消えた息子に会うことが出来た。

 そう思ったのです。

 江古田祭場脇の薄暗い道を泣きながら歩いている息子を先に見つけたのは妻の方した。息子の手先はすっかり冷たくなっていて、私は、「ほら、やっぱりパーカー着なきゃ寒かっただろ?」そう言って着せようとすると、今度は息子も素直に応じてくれました。

 なあ、お前は一体、何が出来たというんだ? 結局お前は私の中に寄生した寄生虫に過ぎないじゃないか。それが証拠に、私が死んだあと、お前は私に何が出来た?

お前は私をジッと見ていたようだが私はお前など始めから見もしていない。

私が見ていたのは私が必要とするモノ・人・事。それだけだ。

 こんな死に方って、あるかよ……。

あぁ、予感はないよ。始めから予感なんて、どこにも何もないんだよ。だから気をつけなければいけないんだよ。余計な考えにありもしない横槍を刺されないためにもね。

 赤いチカチカは昼までも点けた方がいいぞ。と私は息子に言ったのですが、

息子は忘れたフリをして、いつも点けずに帰ってきます。


第84章『最後の最後』

  僕がどんなに脅したって、挑発的な口調で罵ってみせたってソイツは、

 まあ、そう怒るなよ。だいいち怖いじゃないか。僕は君のそういうところがいいところでもあって悪いところでもあるのはわかるけど、でも私にはとてもとても、君の魅力も欠点もみつけられないよ。そんな頼りのないこんな老人を、君はもう必要としていないだろ?

なんて言われて全く拍子抜け……。

ホントにコイツがあの『皇極法師』なのか??

ホントにコイツがあの、時間と命を牛耳る主なのか??

 振り上げた拳を振り下ろす直前に、俺が少し迷ったのは確かです。

               *

まるで精度を欠いた時計の様に、私たちはいつも少し遅れて、毎日おっかなびっくりと過ぎた時間ばかりを相手に生きてしまっています。要らない事だと本当は知りながら、あぁ、遅れた!あぁ、間に合わなかった! なんて、あたかも予期できた未来に抗い切れなかった事を後悔しているかのように考えて、せっかくの『今』をそんなどうでもいい事のために費やしてしまっているのです。もうやめませんか? 私の事も、どうか忘れてください。私はあなたにとってなんの役にも立たないアカの他人です。それでいいんです。僕もあなた同様、そうなりたい。でもこれだけは確かです。

 何がどうなって事態がどう転ぼうとも……、

 私は最後の最後に、必ずあなたを幸せにします。

 セミナーで観た時のアイツは確かに精悍だった。老人の皮を被った若者だった。発想は鋭く、舌鋒はもっと鋭く、眼差しはさらに鋭かった。

「でも焼き鳥屋でバイトなんかしてたって、夢も家族も財産も持てませんよ先生!」

 私のこの発言で会場全体が静まり返りました。そこにいた恐らく数百人の聴衆と、ネット越しの、おそらくは何万・何十万の視聴者も、ジッとして動けなくなったった事でしょう。

 私が今こうして英雄でいられるは、たったこの一言のおかげなのです。老人はそっとマイクを構えて言いました。

 あなたは、あなたの人種を、そして今喋っている言葉を、どうして学びましたか? あなたはそもそも、そんな自分のアイデンティティーに満足してますか? そして今その言葉を喋っているのは、その言葉で考えているのは、本当にあなたですか? あなたが世の中に対して抱いている不満や不安はとりもなおさず、そんな不満足で不安定な自分に対してのモノじゃないのですか?って、誰かもあなたとまったく同じように考えていると考えた事はありますか?

 もちろんすぐに拍手が起きましたよ。割れんばかりの。会場の壁も床も、グラグラ揺らすほどの拍手が。数百人対1人。でも私は全然負けていません。私は知っていたのです。私1人に、この冗談のように高価格な羽毛布団のセットを買わせるため、ただそれだけのために、この目の前の男は、数十万人を動かしているのだと。これが商売のためであるはずがありません。だからこの目の前の男はハッキリと、私を殺そうとしていたのです。

 しかしそうなると私だって面白くないわけがない。これで私が見事、この超高級羽毛布団セットを購入すると、果たしてどういう結果を引き起こす事になるのか。私はわかっています。郊外なら中古の一戸建てが楽に買えるほどのこの超高級羽毛布団セットにそれに見合うだけの寝心地が、

 6畳1K、西武池袋線練馬駅から徒歩45分の、私の他は不法滞在の外国人で、毎晩2時3時まで訳の分からない言葉の歌で埋め尽くされてろくに眠れない、警察に通報してやること数十回、アパートの前で襲われる事数回、その仕返しに奴ら全員の部屋のドアノブを破壊して入れなくしてやったら、更にその仕返しに原付を燃やされた、そんな無法地帯の安アパートで得られるはずがありません。私はついでに、その不満まで、この超高級羽毛布団セットにぶつけてやろうと本気で、強盗してでも金を工面してこれを買おうとしていたのです。

 だってお前、万能なんだろ? やれよ、やってみろよ。

 だから私は全くひるみませんでした。寧ろ会場のあちこちで私を振り向く数百人のさくらの白い顔が、まるでチラチラと蛍の様に綺麗だとさえ感じられたぐらいです。

 一対一でやりましょうや!先生!

 私はさらにそう言いましたが、それには笑いが起きました。

お前が? 同じ舞台で、先生と? 演説合戦??

 このバカな輩は『サルカニ合戦』という話を知らないのか?

 お前は、サルだ。先生は、カニだ。お前は先生には永遠に勝てない。

 もう絵本は閉じましょうや! 先生!

               *

 と、お前はその時そう言ったんだな? 私が自分が釈放されるのはもう始めからわかっていましたから、警察の取り調べで何を訊かれてもただ素直に頷けばよかったのです。果たして私は釈放されました。

『日本統治時代は良かったと言った老人が殴り殺される』

 『愛国の烈士』として賛美する声も。そんな記事も出ていましたが違う違う!そんな理由じゃない!僕はそんな理由で人は殺さない!

 私は社会に追い詰められ、その弱みに付け込まれ騙されて、高額な羽毛布団セットを買わされた可哀想な若者として、世の中からな絶大な支持と同情を集めたのです。そうなるともう法律などなんの力もありません。

 そしてそのおかげで、私はある会社に就職することが出来ました。借金はその会社の社長が肩代わりしてくれたのです。羽毛布団はまだ使ってますよ。調べたら、いいとこ一万円程度の布団らしいです。でも寝心地は悪くないですよ。

ただ一つ、私が気になっていたのはあの男が言った一言。

 何がどうなって事態がどう転ぼうとも……、

 私は最後の最後に、必ずあなたを幸せにします。

 さすが『皇極法師』。あ、方々いろいろ、

ちょっとずつ記憶を借りました。

じゃあお先に失礼します。

保護猫『とのま』の一言成長日記2023。9月~10月


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10/31(火)

 今朝は30分早く、『胸乗っかり攻撃』で起こしてくれました。この季節、もう胸乗っかり攻撃は、暖かくて、寧ろ気持ちいいんだよね。重いけど……。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/30(月)

 今朝は、兄さんが突然熱を出したため、3人別々という変則的な寝方になって慌てたでしょ? 大丈夫、兄さんの熱は、さっき見たら下がってた。インフルエンザじゃなきゃいいけどね。とのちゃんも、風邪には気を付けて。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/29(日)

 今朝は私がトイレに起きた時、すでに足元にスタンバってました。毎朝ああやって、ちょっと前に起きて、時間が来るのを待っている様子。賢いね!!時間がわかるんだね!!さすが我が家のネコだね!!頼もしい!!今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/28(土)

 今朝も、アラームが鳴らない中、ちゃんと4時半に起こしに来てくれました。『胸乗っかり攻撃』と『鼻フック攻撃』。そんな素敵な週末が始まりました。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/27(金)

 今朝もやんわりと起こしてくれました。最近は私にではなく、襖とか、畳に対してのアクションが多くなってきました。いろいろ、私の反応を見て判断している様子。私も、とのちゃんに負けないぐらい、創造的な一日を過ごそうと決してんしてます。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/26(木)

 今朝も目覚ましと同時に起こしに来てくれました。でも最近は、全然しつこく亡くなって来て、起きないの? じゃあ、勝手にすれば、みたいな時も増えてきて、お、これは新しい『突き離し攻撃』か?と、思ってます。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/25(水)

 今朝も『飛び乗り&手の上に香箱座り攻撃』で見事に起こしてくれました。飛び乗られると、絶対に目が覚める。なんせ、6.5kgもあるからね。お米の袋を突然背中に落とされるぐらいの衝撃があるって事だからね。今日もいい天気みたいだよ。そして今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/24(火)

 今朝も私の勝ち! とのちゃん、眠かったらいいんだよ。父さん、勝手にやってるから、無理に起きてこなくても。でも早朝ご飯は欠かせないからね。だんだん寒くなってきたから、もうしばらくお母さんの布団でゆっくりしな。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/23(月)

 今朝は私の方がちょっと早起き、慌てて起きてくる感じがまた早朝から、可愛さ爆発。最近すごくお腹がすくみたいだね、上げたいけど、一応管理しているから、ちょっとだけだね。今日も天気が良さそうだよ、ベランダいって、秋の空気を楽しんどいで。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/22(日)

 今朝も、週末でアラームが鳴らない中、ちゃんと起こしに来てくれました。『鼻フック攻撃』と『襖ガリガリ攻撃』私が起きないと、襖がどんどんボロボロになっていくという恐ろしい攻撃です。今日も、天気は良さそうだね。今日は何処にも出かける用事はないから、一日一緒にいられそうだよ。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/21(土)

 今日もアラームが鳴らない週末、ちゃんと4時、半、ぐらいかな?起こしてくれました。鼻フック攻撃で。おかげでパッチリお目覚め出来ました。やっと週末、今日も色々作業頑張ろう!!今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/20(金)

 今朝は、3:30に起こしに来てくれました。来てくれましたけど、、ん、ちょっと早いか……。と思ったかどうか知りませんが、30分ほど、私の手の上で香箱座りをした後、4時にアラームが鳴ると同時に、『鼻フック攻撃、両手バージョン』で激しく起こしてくれました。ちゃんと、アラームの意味を理解している、君は天才ネコかも知れない。 今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/19(木)

 今朝はちゃんと、『胸乗っかり攻撃』でオーソドックスに起こしてくれました。オーソドックスな朝です。今、作業部屋に入って来て、遊べ!遊べ!と鳴いてます。早朝から、かわいいね。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/18(水)

やっと水曜日、今日はとのちゃん、起こしに来てくれませんでした。最近、ちょくちょく、起こしてくれない事がある。眠いのならいいけど、だるかったり、しんどかったりが原因だったら、ちょっと心配。でも元気にご飯食べて、ウンチしてるみたいだから、大丈夫だね。

今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/17(火)

 今朝はなぜか、そっと寄り添って、腕の上で香箱座りをして、ほんのり温めてくれる、新型の起こし方でした。あれ、なかなか、置き心地がイイよ。とのちゃん。早朝ご飯まで、あと数分、今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/16(月)

 今朝は私の勝ち!とのちゃんはあとで起きてきました。その時も、だって、今日は、ちょっと眠かったから……、みたいに聞こえる、言い訳っぽい鳴き声がまた、可愛い。いいんだよ、とのちゃんだって眠い朝はあって、いいんだよ。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/15(日)

 今朝も『鼻フック攻撃』と『顎髭抜き攻撃』でアグレッシヴに起こしてくれました。土日はアラームが鳴らないので、早起きは本当にとのちゃん頼り。雨が降ってるけど、今日はとのちゃんが大嫌いな他所の人が来るよ。ガスの点検屋さん。点検終わるまで、押し入れに待機してな。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/14(土)

今朝も、4時少し前に、私の布団にスタンバイ、4時に目覚ましが鳴ると同時に、『鼻フック』『顎髭抜き』『襖ガリガリ』の3攻撃で一瞬で起こされました。本気を出した時のとのちゃんには敵いませんな。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/13(金)

 今朝はちょっとはやめでしたが、久々に『胸乗っかり攻撃』で起こしてくれました。大きくなったので、胸では収まらず、『胸・腹乗っかり攻撃』に進化しています。やっと週末だね。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/12(木)

 今朝も、何もしないで、そばにいる。という一番ソフトな起こし方で起こしてくれました。どうにも私の体調を見て判断してくれている様子。小さな声で、ニャ と鳴くだけなんだけど不思議に目が覚める。今、早朝ご飯の時間です。

今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/11(水)

 今朝は本当に助かったよ。またアラームが止まってて(最近、よく止まる)とのちゃんに起こしてもらえなかったら、遅刻するところだったよ。ありがとう、とのちゃん。グッジョブでした。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/10(火)

 今朝もちゃんと4時に、ちゃんと『鼻フック攻撃』で起こしてくれました。息子の熱もすっかり下がり、とのちゃんも一安心。猫草がね、夏程順調に伸びないから、待ち遠しいね。もうちょっと待ってね。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/9(月)

 月曜日、祝日の朝です。雨が降ってますね。とのちゃんはいつも通り、4時に起こしに来てくれましたが、祝日モードの私は2時間も寝坊。呆れてもう、それ以上、起こしに来てくれませんでした。ごめんな、とのちゃん、水換えといたよ、今日も、雨だけど、一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/8(日)

 今朝もアラームが鳴らない週末に正確に4時に起こしに来てくれました。最近は何もせずに、起きるのは私の自主性に任せている様子。ただそばにいて、ジーっとしてます。目を開けると、目が合います。昨日は、コロナワクチン接種による発熱中の息子のそばを離れませんでした。優しいね、とのちゃんは。今日も1日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/7(土)

 今朝は、6時ぐらいに、そーっと、ニャ、って一言でした。というのも、昨日、息子がコロナワクチンを接種して、今発熱中で、あまり騒いじゃダメだ、と、きっととのちゃんも遠慮したんだと思います。賢いね、優しいね、可愛いね、とのちゃん。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/6(金)

 今朝も、4時、ちょっと過ぎに起こしに来てくれました。でも、何にもせず、新しいパターン??『そばにいて何にもしない攻撃』。ただそばで香箱座りをしてジッと視線を送り続ける、という。寒くなって来たもんね、ホントは寝てたいのかもね。わざわざ起こしに来てくれただけで、感謝しないと。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/5(木)

今日は久々の『胸乗っかり攻撃』でした。久々に重かった。でもなぜか携帯のアラームが止まっていたので、本当に助かったよ。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/4(水)

今朝は、なぜか3時に一回起こしに来て、また4時に起こしに来てくれました。相当お腹が空いてたのかな。今は多分、妻と一緒に寝ています。妻が等々、爪を切ったので、今朝の『鼻フック攻撃』もややソフトめ。朝が、だいぶ過ごしやすくなってきましたね。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/3(火)

昨日は寝るのが12時近かったので、睡眠時間は4時間ちょっと、昨日、同僚から、疲れてるね、と言われてしまいました。とのちゃんはいつも通り起こしてくれました。冬に近づくにつれ、二度寝までの時間が短くなってきた。やっぱり、冬は寝るに限るね。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/2(月)

 今朝は私が起きるのを見計らって起きてきました。いろいろ考えている様子。今、一階にいるんですが、ちょうど今、二階から、猫砂を掻きまわす音が聞こえています。いいウンチしな。何だか、急に寒くなった気がします。

もう、夏ではないですよね、今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

10/1(日)

 今朝は、日曜日でアラームが鳴らないので、私が4時半に起きたら、とのちゃんはすでに起きていて、私が起きたのに気付いて、さっそく甘えてきました。わかったわかった、水を替えて、ブラッシングね、と。この子はきっと、私の体調の他、週末の仕事休みも理解していると思われます。賢いね、そしてどんどん、賢くなってくねとのちゃん。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/30(土)

 今朝は『ドアガリガリ攻撃』で、間接的に起こしてくれました。とのちゃんなりに、いろいろ考えての事だと思いますが、今、爪がすごく伸びてて、ドアが心配……。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/29(金)

 今朝は、腕の上にそっと乗る、攻撃?で起こしてくれました。過去イチ、ソフトな起こし方です。でも6キロ半あるから、それでも意外と目が覚める。今日から、これでお願いします。じゃあ今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/28(木)

 今朝も目覚ましと同時に、鼻フック、最近は『顎フック攻撃』で起こしてくれました。最近、やや過激です。詰め切らないと、キンキンに尖ってます。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/27(水)

 今朝もちゃんと4時に起こしてくれました。一体、何時に起きてるんだろう。最近、仕事が妙にきつくなってきて、長時間で、晩ご飯の後はサッサと寝てしまうので、とのちゃんの目覚ましは本当に助かってます。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/26(火)

 今朝もちゃんと4時に起こしに来てくれました。息子の部屋を作って以来、私の朝の作業は一階に移動しました。とのちゃんは遠慮がちで、一階の部屋にはあまりやってきません。入って来てもいいんだよ。早く慣れてくれ。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/25(月)

 今朝も元気に起こしに来てくれました。今朝も元気に『鼻フック攻撃で』爪、そろそろ切らないといけないね。昨日は大嫌いな首筋への蚤取り薬、よく頑張りました。今日、お母さんにチュール貰いな。じゃあ、今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/24(日)

 今朝はちゃんと4時に起きました。とのちゃんもちゃんと起こしてくれました。久しぶりの『鼻フック攻撃』で。久しぶりに痛かった。この前、仕事中に大雨にやられた時以来、あせもが直らずに苦労してます。あせもって、子供か??でも、あせもって、そんな何日も続く? コロナの薬のアレルギーだったりして、まあとにかく、今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/23(土)

 とのちゃん、今日は寝坊しちまって申し訳ない。何度も起こしに来てくれたのに、結局起きたのは7時半だったね。ゴメンな。 ご飯ちょうだい、トイレきれいにして、お水換えて、って言いたい事は山ほどあったんだろうね。全部やったよ。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/22(金)

 今日から久々に家族そろっての就寝です。とのちゃんもさぞかしリラックスできたと思います。今朝もちゃんと4時、30分ぐらい早く起こしに来てくれました。ちょっと、緊張してたのかな?? 今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/21(木)

 今朝も4時に起こしてくれました。まだ、妻が別の部屋で寝てるので、今までとは調子が違うみたい。でも頑張ってます。だいぶ涼しくなってきたね。昨日の雨は凄かった!秋に向かってまた一歩……。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/20(水)

 今朝は、妻が1階で隔離、息子と私は2階でという、変則的な修身スタイルに、とのちゃんちょっと困惑気味でした。大丈夫、多分今夜からまた一緒に寝るようにするから。とのちゃんも、体調、気を付けてね。耳を診るよ、最近平気そうだけど。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/19(火)

 コロナ明け、いよいよ今日から職場復帰です。全然ワクワクしない……。これで、心置きなくこれまで通り、ナデナデできるよ、とのちゃん。お母さんは明日から。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/18(月)

 だいぶ良くなりました。謹慎期間は終わりました。お疲れ様。だからさっき、5日分、とのちゃんをなでなでしたら、ウザがられました。ネコは正直者です。でも良かったね。まだ少し咳が出るので、今日一日大人しくします。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/17(日)

 いよいよ今日で解禁です。昨日、もう堪らず、風呂に入りました。気持ちよかった。でもすぐ汗かいちゃうんですよね、喉痛いのにエアコンもつけられないし、でも体調は、まだちょっと咳が出るのを除けば、順調に回復してます。とのちゃんはやっぱり、寂しそうにヘアのドアの前で泣いてます。今日で解禁だよ、そしたらまたなでなでできるよ。お待たせ、とのちゃん、今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/16(土)

 コロナ4日目。熱はないけど咳と痰、のどの痛みがひどいです。全身倦怠感も。それプラス、今度は妻が感染してしまいました。今まで毎日、撫でたり、抱っこしたりしてた人が2人いっぺんにいなくなって、とのちゃんは寂しそうにしてます。鳴き声でわかります。ホント、『鳴き声』ってより『泣き声』に聞こえて辛い。もう少しだから、頑張れ!とのちゃん、そして、今日も一日、家族ともどもよろしくね。

9/15(金)

 今熱を計ったら、37.2度でした。やった、峠は越えた!でも、全身の関節はまだバキバキのまま、今日一日、ゆっくりします。とのちゃんは早朝にもかかわらず起きてきて私の隔離部屋の前で泣き続けております、可哀想に、心配??だいじょうぶだよ、 もうちょっと。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/14(木)

コロナ2日目の朝です。のどの痛みと、全身の関節が、ギシギシで、眠れません。熱もまだ39度ぐらいあるでしょうね。こんな機会でもないと、体を休められないという、神様の思し召しかと思って、とのちゃんは部屋の外でずっと鳴いてます。家族から隔離されているからとのちゃんを触れないんだよ、もう少し待っててね。今日も一日、家族ともどもよろしくねとのちゃん。

9/13(水)

 夜明け前から、のどの痛みと、あ、これは、アカンわ、という悪寒で目が覚めました。コロナ感染。とのちゃんは、とても心配そうに部屋のドアの前を離れないそうです。優しいね。とのちゃん、もうすぐ元気になるからね。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/12(火)

 今朝もちゃんと定刻の4時に起こしてくれました。涼しくなったせいか、起こし方がまた以前の様にアグレッシヴになってきました。髭抜き攻撃、鼻フック攻撃、胸乗っかり攻撃など。でもまだまだ暑そう。給水怠りなく、今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/11(月)

 今朝は少し離れたところで、ジーっとこっちを観察してました。私があまりにも眠そうに見えたのかな?今は早朝ご飯も終わり、そろそろ二度寝の時間。おはよう、そして、おやすみ、今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/10(日)

 今朝は久々に、鼻フック攻撃で、目覚めました。久々だと、けっこう痛いね。天気は良さそうです。だいぶ涼しくなってきました。もう秋だね。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/9(土)

 今朝は30分ほど早く起こしてくれました。いつもよりお腹が空いてたのかな。朝はすっかり涼しくなりました。昨日、とのちゃんの耳からまた耳垂れのようなモノが垂れてました。食欲もあって、元気だけど、心配です。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/8(金)

 今朝もちゃんと起こしに来てくれました。もう、何となくヒンヤリしてますよ。秋の朝、って感じ。雨が降ってるけど、今日も一日、家族ともどもよろしくね。とのちゃん。

9/7(木)

 今朝も、ちゃんと4時に起こしてくれました。久々の『顎髭抜き攻撃』。最近は腕の上に香箱座りして、『熱帯夜に温め攻撃』、がもっぱらだったんですが、秋が来たという事でしょうか。

今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/6(水)

今朝もちゃんと定刻の4時に起こしに来てくれました。とのちゃんはどうやら、4時のずっと前に起きて、私のアラームが鳴るのを待っている様子。ルールを理解した賢いネコだと、あらためて思いました。今日もまだまだ暑そうだけど、今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/5(火)

 今朝もちゃんと起こしに来てくれました。暑さも、朝晩はだいぶ和らいだ気がします。とのちゃんはいつも元気。耳垂れも治まったようです。いよいよ、一階に息子の部屋を作るべく、やや大きめの模様替え中の我が家、とのちゃんの慣れ親しんだ部屋の様子が変わって、やや戸惑い中?? 今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/4(月)

 今朝も、定刻の4時に起こしてくれました。今朝は何だか涼しくて、いつもよりも甘えてこない。体調がイイなら、それはそれで良しとしよう。耳だれは、落ち着いた模様。季節もあるのかな。だんだん涼しくなって、だんだん寒くなって来るね。体調、気をつけようね。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/3(日)

 昨日は、健康診断のバリューム検査の後の、所謂白い龍『神龍』がなかなか現れず困りました。今朝のとのチャンはいつも通り、定刻の4時に起きてきて、ひとしきり甘えて今は二度寝に行きました。そうそう、これが健康な証拠。今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

9/2(土)

今朝もちゃんと4時に起こしてくれました。でも私がちょっと寝坊。とのチャンは1人でリヴィングで寝転がって待っててくれました。私が起きると朝の甘えんぼ攻撃が始まりました。素敵な一日の始まりです。今日は健康診断があるので、なるべく早めに出掛けます。めちゃ、混むので。

今日も一日、家族ともどもよろしくね。とのちゃん。

9/1(金)

 今朝、9月最初の今朝も、いつもと変わらずちゃんと4時に起こしてくれました。とのちゃんにとっては、8月も9月も変わらないもんね。変わらず元気でいてください。9月初日の今日も一日、家族ともどもよろしくね、とのちゃん。

★仏(Buddha)★

《只管打坐(しかんたざ)》


《行住坐臥(ぎょうじゅうざが)》


《梵我一如(ぼんがいちにょ)》


《欣求浄土(ごんぐじょうど)》


《三千世界(さんぜんせかい)》


《リストに戻るーReturn To List》

『いきてるきがする。』《第13部・夏》



《全メニューに戻る。》


第83章『黒猫のタンゴ』

 店に入るなり『昔の子』「今にも降ってきそうですよ」と言いました。

 私は急いで窓辺にディスプレイしてあったTシャツ数枚とタオル数枚を取り入れた時、『昔の子』が妻が焼いたパンをテーブルに置くと、「また、あの子がいましたよ」と言いました。

 あぁ、またいたんだね。私はそう答えました。『昔の子』によるとその子はもう3日も、店のそばの公園にある、小さな祠の前に立っているというのです。

「幽霊じゃないかと思うんですよね。いい加減……」真面目な『昔の子』が真剣な顔でそんな事を言うモノだから、私も何だかもうそれでもいい気がしてきたのですが……、

いや、違うんだよ、向こうは向こうで……。

               *

 その日、私は近所に住む3つ年下の少年と黒猫を探し回っていました。それは祖母のお気に入りの歌で、祖母が大好きだった私はどうしてもその黒猫を捕まえて祖母に見せてやりたかったのです。

「ほら、ばあちゃん。これがその『タンゴ』だよ」

 私と少年はまずは釣りにいき、釣れた魚をエサにして、隣家の隙間や縁の下を覗き込み『黒猫のタンゴ』を捕まえようと探し回っていたのです。

 『タンゴ』を私は、音楽のタンゴではなくて、私の郷里の京都府京丹後市『丹後』だと勘違いしていたのです。だから『黒猫のタンゴ』は世界中のどこでもない、必ずここ『丹後』にいるはずだと、なぜか固くそう信じて疑わなかったのです。果たして私のこの小さな勘違いは、これはこれまで誰も成し遂げられなかった世界的にも珍しく、重要、且つ誉れ高い偉業で、それをまして私の様な小学生が達成したとあれば世界は驚き、その勇気と行動力に称賛の拍手は鳴りやまず、私は子供にして十分に大人の世界に認められる存在になるだろうと、なぜかそこまで、私の中でこの事は、拡大・膨張してしまったのです。

 タンゴ~、タンゴ~、という口の中がすぐにカラカラに乾いてきました。9月の日差しはまたまだ強く、帽子のこめかみから汗が幾筋も流れました。

やっと見つけても黒猫は少し距離を置き、我々を振り返りつつまたどこかに見えなくなりました。

 そうこうするうちに、困った事が起きました。年下の少年がタンゴを探す事に飽きてしまったのです。「何か他の事やって遊ぼうよ。もう足、疲れた」と言い出したのです。確かに、それならば1人で探せばいいと、そう思うかも知れませんが、私のどこかには先の勘違いと同様に、これを1人でやる事の異常性をはっきり自覚する何かがあったようです。私は少年を宥めながら、「もういっぺん、釣りに行こう。この魚、なんか変な匂いしてきたから、きっともう腐ってる。これじゃあタンゴもよりつかへんから、せやさかい、もういっぺん釣りに行こう!な!」少年は渋々ついてきた様子でした。

 自転車で15分ほどの、護岸工事によって不自然に深くなった橋脚のそばがよく釣れました。私は足を開き橋脚と護岸の間をまたぐように釣っていたのですが、どうやら少年はそれが面白くないようでした。自分にはそれが出来ない。ただ見てるだけじゃあつまらないよ……。

 ほな、やってみ! 私はそう言って少年に竿を渡しました。でも本当はこう思っていたのです。出来るはずがない。私でもギリギリなのに、私よりも身体が小さいこの子に跨げるはずがない。少年はひょいと跨ぎましたが、やはりそれまででした。一旦跨ぐとそれからはもう、少年は行きも戻りも出来なくなったのです。

 ちょ、ちょっと、ユウちゃん、助けて、な、引っ張って、釣り竿引っ張って! しかし私は笑いながら、なぜかその少年をほったらかして家に帰ってしまったのです。『黒猫のタンゴ』など、もうどうでもよくなっていました。始めから私はタンゴなんていもしない猫を探すという事を口実にその少年を呼び出しては、結局こうして上手くはめて置き去りにして帰ることが目的であったかのように、そしてそれが徹頭徹尾うまくいったように、軽やかな気分でした。

 その夜、少年が帰って来ないと近所じゅうが大騒ぎになりました。そして、「確かひるまに、ユウちゃんと一緒にあそんでたよね?」と、その母親に言われたのです。私は、知らない、と言いましたが、そのオバサンはいつもの様に優しく遠慮はしませんでした。

 アンタ!ウソを言いな!ホンマの事教えて! アキラとどこ行ってたん? アキラはどこにおるん!

 私は怖くなって家の中に駆けこんでそのまま寝てしまいました。疲れていたのかすぐに眠ってしまい、その後の事は今も思い出せません。ただ、真夜中に警察官に起こされて、父親から、お前、ホンマに知らんねんな?絶対ホンマに、なんも知らんねんな?と、何度も念を押されたのを覚えています。

 だから、お前がやった事はそれと同じなんだよ。私はもしできるなら『昔の子』にもそう言ってやりたかったんです。

 いつかお前は、「もういいんですよね。もう、ああすればよかった、こうすればよかったって考えなくてもすむようになったんですよね。俺達 」 そんな事を言って、せっかく上手くいっていた私の世界から、あらゆる秩序をバラバラに壊して出て行ってしまった。そして何事もなかった様にまたうちの店で以前と同じように働いている。それが悪い事とも、無駄な事とも言わないよ。でもお前は本当に、何か足りないと感じないのか?『今の子』の事を、本当に知らないのか?

 それは訊いてもどうしようもないのは私だってわかっています。本当の意味の『切ない』とはこういう気持ちを言うに違いありません。

 私をさりげなく苦しめ続けていた記憶は、父親の3回忌の時に思わぬ形で消えました。あの日、行方不明になった少年は30年の時を経て私の父の3回忌の受付をやってくれていたのです。私は驚きませんでした。何も疑いませんでしたし、チャンスだとも思いませんでしたよ。ただその通りだと思ったのです。実際、そんなモンだと。

 私は、『昔の子』がそんな事を言ってくれれば、いいのになぁ、『今の子』の事を微塵も覚えておらず、ただ、『またあの子、いましたよ』なんて、確かに目の前にいるのに、その前後の繋がりがわからないその子に向かって、『幽霊だと思うんですよ、いい加減……』、なんて不気味がるような事を言ってくれれば助かるのになぁ、と、ただそう思っただけなのでしょう。

 意外とそのまま、現実は訪れるんです。

それを忌み嫌いさえしなければ、の話ですが……。

 

     第82章『バイバイ・フラワー』

 

 よしじゃあ、そろそろ行くわ。私がそう言うと婆さんは水筒を渡し、十分気を付けるんやで、と言いました。

 本当に世話になりました。嫌な思いもしたけど、概ね世話になりました。私はただ頭の中だけでそう唱えて、故郷と呼ぶにはあまりにも素っ気ないこの山間の里を、すこぶる生乾きの覚悟と共に後にしたのでした。

 婆さんにもらった水筒はあっという間に空になりました。これで関係はすっかり断たれたと思うとむしろスッキリしました。汗を拭って見上げると真夏の空には指先でちょっと千切った和紙をような小さく朧気な月と、それを囮に悠然と森に隠れて決して姿を見せようとしないずるい太陽がありました。私はなんとあらばその姿を炙り出してやろうと、自分もまた自分の影を囮に、今までにあった事、あればよかったのになかった事、なかった事、なければよかったのにあった事を一つ一つ短刀の様に懐に忍ばせながらいつ途切れるとも知れない駅までの砂利道を歩いています。

 夢はな、あったんやけどダメになってしもたんや。アキさんの最初の子みたいに。そりゃあ悲しかったよ。散々期待さしてこれかい?って。でもなに平気や、儂だけちゃう。世の中にはそんな残酷はナンボでも転がってるんやで。

 爺さんは言いましたが、私にはそれが本心だとは思えませんでした。どうしようもない現実に対して、言い訳を言うぐらいなら何も言わない方がいいという事に、爺さんは終ぞ気付かなかったようです。そして常に言い訳をしながら酒を飲み、タバコを吸い、ウソをつき、ウソをつかれ、人を騙し、騙されたまま、78歳で人生を終えました。墓前の花は絶え間なく揺れています。この世の中で本当の事を言っているのはこの花だけのような気がしました。

 私が生まれたのが『春』という季節だと教えてくれたのはこの爺さんです。爺さんは私にこんな事を言いました。

 こんなモン、続かへんよ……。じき夏が来る。人も動物も平気で殺す灼熱と疫病の悪魔の季節や……。

 それを聞くと私は急に息苦しくなり、息を吸っても吸っても空気が胸に入って来ないような気がしました。やがて意識を失うと針を刺され、薬を打たれ、飲まされ、塗られ、熱が下がり目が覚めると涙目のままやんわりと乳をもらい、そっと尻を拭われながら、ボンヤリと灯る提灯をジッと見つめる様な意味のない夢を毎日毎晩見るのでした。

「身体が弱すぎて下痢するばっかりで薬もよう吸収せぇへんでねぇお父さん、お母さん。医者としてももう、どうしようもないんですわ。弱い子を授かった運命やと思ってね。様子をよう診てやって、おかしなったらまた連れてきてください。」

 しかしそれが夢ではない事を知り、私は愕然としてしまいます。それまで当然自分のモノだと思っていたすべてのモノはすべてが借り物で、私は本来ここにいるモノではなく、私にはなんの役割もない事を知ったからです。

 無言でため息をつく運転席と助手席の2人を後ろの席から交互に眺めながら私はもう再スタートを切っていました。私にあなたたちに愛される価値がないというのは同じに、あなたたちに私を愛する価値はないという事です。そんな事で一々驚いたりしません。悲観もしません。たとえ宇宙VS私になってもその事には寸分も変わりない。そもそも宇宙なんて誰かが勝手に名付けたモノだ。そして私が私の便利のために借りているだけのモノだ。要らなくなったらいつでも捨ててやる。だから私はもう、重度の喘息患者でもなければ、あなたたちの子でもない。

               *

 ギシギシと首を振る扇風機と無人の売店で、1時間に2本しか来ない列車を待ってまずは缶コーヒーを一本買いました。ローカル単線の線路を跨ぐ橋の上に設けられたこの売店に初めて息子を連れてきたのは彼がまだ1歳になったばかりの頃です。ハイハイをしながら祖父母に近づく可愛らしい姿が今も鮮明によみがえります。私はそのおむつでモコモコの後ろ姿に自分の全宇宙を楽々投影することが出来たのです。

              *

 じゃあその、アキさんの最初の子が僕だというのですね。

『今の子』は言いました。さすがに勘のいい子です。私の話を総合するとそういう事になるのでしょう。でも私にはとにかく今は『今の子』を安心させる義務があったのです。

 違うよ、アキさんの最初の子は、私の本当の祖母だ。女の子だよ。

 じゃあ、僕は?

『今の子』は急に不安そうに言いました。そうです、ここが一番気を使わないといけないところです。

 君はもっとちゃんとしてるよ。アキさんの子は私の中では1ミリだって顔を出してはいないんだ。まるで知らない人だよ。君と私が出会ったのは私がこのブログを書き始めたのと同時。そりゃ、ちょっと変だなとは思ったさ、でもそんな事にいちいち誰もが納得できる理由なんかあるわけがない。私の髪がこんなに真っ黒でくるくるなのも、君の髪が少し茶色くてストレートなのも、それ以上でも以下でもない。遺伝とか人種なんてすべて後付けさ。つまり私が君と話す場合、君はいつ何時だって両親からの虐待で命を落とした少年でしかないんだよ。まあ、それも今のところ……。

 私かここまで言って言い淀んでしまいました。『昔の子』の事があったからです。あれ以来、『今の子』は得体の知れない心の空洞を必死に埋めようと頑張っているのです。『昔の子』はもうずいぶん昔に、ここを置いて他の方へ歩いて行ってしまったのです。『今の子』はその事を知らないでしょう。或いは知っていても気付かないのでしょう。ただ心の空洞として『昔の子』の事は理解している。それは私が、自分には居場所も役割もない事に今も尚、気付いていないのと同じ事だと思うのです。

 キン、キン、キン、キン、と列車が来ることを知らせる甲高い鐘の音が聞こえ始めました。さあ、いよいよ、お別れです。

 私はこれまであの老夫婦と暮らしてきた生活を完全に終了させるため、もう2度と帰る事のない故郷の働きを完全に消去してしまうため何か一つ、忘れ様のないモノをみつけておこうと辺りを見回しました。すると、

 線路の脇にオレンジ色の花がたくさん咲いているのが見えました。風にフワフワと揺らいでまるで手を振っている様に見えるのです。

 私はここで、列車に飛び込んで命を断ったのでしょうか?

それとも、そのまま、大人しく乗り込んで今もどこかで暮らしているのでしょうか?

 そんな事を考えながら私は今も、陽炎に揺らぎながら赤と肌色のツートンのディーゼル列車が近づいてくるのを待ち続けているのです。


  

       第81章『天馬と蚊』

 すべては私の力不足で、誠に申し訳ないと思っている、だってさ。

 おかしいと思ってたんだよね。年末にカレンダー配らなくなった辺りから。いくら断っても無理やり持たされたあのダッサいカレンダーを、あれ?今年は作らないんだ。って思ったその時だね。

 でもまあわかってたんだと思う。つまり俺も誤魔化してたって意味じゃあ共犯だね。知ってて知らんぷりしてたんだ。まあもう倒産したんだから、何を言っても始まらない。

あ~あ、今から何しよう……、何処に行こう、何食べよう……。

 相当鼻つまみだったってよ。どんなにイジメても全然意に解さないって。暖簾に腕押し、超絶、無神経な奴だってさ。みんな呆れてたよ

 もちろん、わかってましたよ。そうやって私から退職を言い出すのを待っていたんでしょ。だからわざと辞めなかったんです。残念ながら、この会社での時間は私にとってとても大切な時間なんですよ。ネコを拾ったのもこの仕事での事。だからどんなに不本意でも、この仕事とは運命の出会いである事に絶対相違ないんです。そうしないと、あの子を愛する家族に申し訳がない。これはそういう私の『意地』です。そしてこの虚無感・脱力感こそが私の『退職金』です。

 それで? パパはどうしたの?

 どうしたのって、歩き出したんだよ。他の仕事をみつけるために『お仕事探し屋さん』を目指してね。実践的にも精神的にもね。

 でもこのご時世。なかなかいい仕事なんて見つからなかったんじゃない? どこか紹介してくれなかったの? その会社。

 そんなに気の利く会社なら突然潰れないでしょ。まあ潰す前に、経営サイドでは資産隠しに余念がなかったみたいだけど。

 人間のそういうとこ、私、好きよ。大好き。アブラムシむしゃむしゃ食べて、お腹いっぱいになって飛んでいくテントウムシみたいで、可愛いじゃん。

 水玉模様で飛んでいけばそうだったんだけどね。飛んで行ったのは私と同僚の方だった。

 ザっと会話を繋げるとこういう事になった。雑踏は常にうるさい。耳はそれをよく知っていて、普段は聞き流しているのだが、こんなタイミングだからよーく聞き集めると、雑踏はちゃんと自分の今についての様々な意見を言ってくれている事に気付く。

 透明なエスカレーターがどんどんと地の底に向かってどんどん降りていくのを、私はあわてて一階で飛び居りのたのです。建物を出ると外はバカにしたように晴れていました。

 あぁ、気持ちがいい! 気持ちがイイって、マジ気持ち悪ぃ!

 そう叫んだ時でした。私の目の前に『天馬』が舞い降りてきたのです。今日の昼間の月は、妙にデカいなぁ、そう思って見上げた瞬間、SF映画みたいに急に辺りが暗くなったかと思うと、巨大な何かが私の目の前の地面を踏みつけたのです。私は驚きのあまり声も出せませんでした。それは実際の馬よりも10倍も大きく、蹄などマンホールほどもある、全身に湯気のような光を纏った真っ赤な雄馬でした。もちろん逃げ出そうと思ったんですが、でも少し変なのです。

  全く何の音もしないのです。それに何の臭いもしない。

 

 周りを見ると、『天馬』には気付いている人とそうでない人がいる様でした。慌てて写真を撮ろうとして、あれ?あれ?なんて、携帯を縦に向けたり横を向けたりしている人もいれば、平気で天馬の蹄の間を悠々と潜り抜ける人もいるのです。

 いま、頭の中でペガサスユニコーンを想像している人。全然違いますよ。あれは実際の馬に無理矢理羽根や角をくっ付けただけの、人間の発想力の貧しさの果てに誕生した哀れな動物ですよね。『天馬』はそうじゃありません。

 『天馬』は見た目は確かに馬なのですが、いわば過去と未来が衝突したような膨大なエネルギーの塊なんです。もうこれ以上のモノはないという、そんな形をした、空から生えた強大な突起物なのです。

 そりゃ過去未来という極大のプラス極大のマイナスが衝突するわけですから、全てが相殺されるのはわかります。だから何の音も匂いもしないのもわかります。しかし

 相殺された時間は消えるのではなく、まるで固まったようそこに留まって、私が『天馬』に気付いてカメラを構えたと思った人もまるで静止画の様に留まっていて、そして改めて、これはそれまでどういう場所でどういう時間を過ごし、何を見て、何を考えてきたのかによって、目の前に見えている様子が全然違うのではないか、と思えてえてきたのです。もしその人が長崎出身ならば、 

 長崎にしかいないはずのナガサキアゲハが飛んでたよ! なんて事を言い出すかもしれません。そしてその人は当然、私にもナガサキアゲハが見えているはずだと。

 

 だから私は恐ろしいという気持ちを最大限に抑えて、なるべく冷静に『天馬』を見極めようとしたんです。こんな事をするのは初めてです。そして、私の目の前にあるのは私にとって、本当は何なのか。それを見極めようとしたのです。そう思って見ると、初めは有難いモノに見えていた『天馬』も、どうやらそうでもないようなのです。あんなに高圧的で威張っていたのに突然頭を下げた社長の様に、『天馬』はまるで、突然この空間に迷い込んでそのバカでかい身体を無知に悶えさせているだけのバカな奴にも見えてきたのです。

 それ、何か不思議ですか?

『昔の子』はキョトンとして私に訊きます。

 だってさ、突然目の前にさ、馬の10倍の大きさの馬が舞い降りてきたらそれを馬だとは思わないでしょ普通。でも私は 馬だ! って、しかも、天馬だ! ってはっきりそう思ったんだよ。何で??

 それが当然だと思ってたから……。じゃあ俺の経験とは全く逆という事ですね。

 そうなの?

 B-29は巨大な飛行機だけど、実際には蚊ほどにしか見えないんです。空襲警報のサイレンももうJアラート同様すっかり慣れっになってて。あ、また蚊が飛んでる、って思ってたら、その蚊がいきなりポロポロとウンチをこぼしたかと思うと、目の前の山や町が大爆発を起こしたんです。

 音は?

そりゃあもう、大きいですよ!

 臭いは?

そりゃあもう、臭いですよ!

 確かにそりゃ、全く逆だね……。

  貧血と熱中症で倒れたと知りました。目の前が急に暗くなった時に。

 私はSF映画みたいに目の前が暗くなった事を、それをどうしてかと考えて、それは、ナニモノかが舞い降りたと、それは何か?それは天馬に違いない、そうやって現実を遡ってるうちに、私はいつの間にか来たのとは別の道に迷い込んで、会社は倒産して、職にあふれていたんですね。実際に『天馬』が現れたのは、私が熱中症で倒れた後の事だったんです。

 あと最後に、一番面白かったのが、倒れた私を誰も介護しなかったという事ですね。夕立が顔に当たる感触で私は意識を取り戻したんです。髪の毛から強烈なアスファルトの匂いがして、額と頬を擦り剥いていましたが、誰一人、私を介護しなかったのです。

 おかしいなぁ……、日本人はそんなに不親切じゃないはず。それとも私は、誰にも見えてなかったのかなぁ……。

まあ、いいです。大した事なくてよかった。皆様も、いよいよ夏本番、給水怠りなく。息災にお過ごしくださいませ。

  第80章『お母さんには、残念でした。』

    

 苦し紛れに微笑んだって、決して幸せにはなれないぜ!

 そんな歌詞を自信満々でのせてきたソイツの顔を、私はもう少しで殴りつけるところでした。私が煩悩と劣等感に犯されてめちゃくちゃに化膿した頭から血膿を絞り出すように楽曲を作り続けていた、そんな頃の話です。

 俺の作品を殺す気か!?

 その頃が一番、私のアメリカに対する激しい憎悪と復讐心が燃え上がっていました。アメリカごときの経済力や人種差別や体躯の差や国土面積の差や地下資源の差など、一気にひっくり返して余りある起死回生ななにかを、私は自分1人で、自分の中だけに見出そうと必死だったのです。

 「え?ダメ? ダメなの? お前のメロディーに譜割りもばっちり合ってるし、お前が拘ってたシンコぺの部分にも、『微笑んだって』の小さいツが、ぴったりはまってると思うんだけどな。苦労したんだぜ」私が極度の寝不足を押して、徒歩でスタジオまで来ているというのに、ソイツはサラッとタクシーで乗り付けてはそんな間抜けな事をいけしゃあしゃあと言い放ったのです。

 そんな理由で、あなたは彼を殺したんですか。

 私はオレンジ色の服を着て、弁護士の通訳の言葉に耳を傾けています。

 ロックはウソをつかない。ロックは平等だ。ロックは愛だ。

 何度も聞いた事があります。そんな事を本気で思い込んでいた私がバカだったのは認めます。知りませんでした。みんなほとんど掴まないんですね。電車のつり革みたいに、困った時やバランスを崩した時に、ちょっと、触る。その程度で。

 私はがっつりと捕まっていました。そしてまるでクラゲかサルみたいにフラフラ、ブラブラと揺れていたんです。今はわかります。考えてみれば当然です。人間が人間の都合で作ったモノが平等や愛であろうはずがありません。人間は結局、毒しか作れないんです。

「私は何度も『ジャップ』と呼ばれました。なんですか?『ジャップ』って」

 私はそう訊きました。その意味さえ悪くなければ一向にかまわないのです。私の事など、スティーヴでも、アンソニーでも、キムでも、ジャップでも、好きに呼べばいい。だがもし都合が悪いとすれば、それは呼ぶ側の人間の心情が理由で、その事で私が気分を害し、その者に危害を加えたとしたらそれもやはり同じ理由なのです。いったい何処に住む人間が、結婚して一生一緒にいたいたいほど大好きで信頼できる人間を『ジャップ』と呼びますか?

 つまり『ジャップ』は世界共通の悪口という事です。それは世界中の誰にとっても悪口なんです。『ジャップ』と呼ばれた瞬間に、その人間は人間ではなく『ジャップ』になるのです。

 アメリカの裁判など実際は裁判でも何でもありません。軍事裁判と同じ、始めからマイノリティー異邦人敗者だと決まっています。それを臆病な自信家どもが反逆を恐れて抑え込もうと悪だくみをした結果、こういう愚にも付かない判決が下りるのです。

 私がその酔っ払いの白人を殴ったというバドワイザーの瓶が証拠品として提出されました。そこには私の指紋が付着していたと、弁護士は言っていると通訳は言います。でも私が飲んでいたのはエビス。バドワイザーみたいなあんな水みたいなビール、死んでも飲むわけがないでしょう。

 私は懲役刑に処され、暫くの間アメリカで過ごしました。たぶん数年間だったと思いますがよく覚えていません。その間は正に筆舌に尽くしがたい屈辱の毎日でした。

 そして刑期を終えて出所した私はもう、自分の名前も年齢もわからなくなっていました。もちろん、国籍も。

 だからどうやってこの国に帰って来て国民と認められ、今の名前を名乗るようになったのか、納得できる理由も見当たりません。

 ただ私の中にはアメリカ合衆国に対する激しい憎悪と復讐心だけが熾火のように燃え続けていたのです。それだけが私を私だと確認できる灯だったのです。実年齢は今もわかりませんが、その当時私はまだ若いと判断されたようで、高校生がやる様なチープなアルバイトでせっせと小銭を貯め、アメリカで紛失したモノよりもずっと高いギターを買いました。アンプは借金して買いました。豊島区長崎の1万4千円の風呂無し四畳一間のアパートでギターをかき鳴らすと毎日苦情が来ましたが大した事ではありません。逮捕されたってアメリカの時と同じ、また出てきて同じ事をすればいいだけです。実際やってようがやってなかろうが関係ないのですから。殺人ですらそんなもんです。ただ私の頭の中には、服役中に出来た不衛生な傷からあふれ出す膿がなみなみと溜まっていたのです。私はフレーズという形で、それを毎日絞らなければ生きていけなかったのです。そしていつか、この汚らしいベトベトした黄色い液体をアメリカ全土に撒き散らしてやる。

 ね?

 私の夢は、一般の人のそれとはずいぶんと違う形でしょ? でも、夢は夢です。私はきっと、アメリカ全土を興奮のるつぼにする美しく、アグレッシヴで時には泣きのギターをかき鳴らして、地位も名声も恣にするでしょう。そして、私が『ジャップ!』と言われたのと同じ意味の『サンキュー!』を連呼してアメリカ全土にその汚らしい黄色い液体を撒き散らす事でしょう。

 次の週。ソイツはスタジオに来ませんでした。オカンが、死んだ。

そうメールが着いたのです。だから鹿児島に帰る、と。

 母親は身体があまり丈夫でない事、今は実家で妹と2人で暮らしているが、自分は長男なので、ゆくゆくは帰って実家の面倒をみなければいけない事。だからバンドで食っていくというのは時間制限のある夢だという事。

 

 苦し紛れに微笑んだって、決して幸せにはなれないぜ!

 まったくその通りだぜ!だからお前はもともと幸せにはなれない。お前の幸せは所詮、苦し紛れだからだ。

 お母さんには、残念でした。

 私はそう返信しました。さて、こうなればもうこのバンドは今日で終わりです。

さようなら~、あそうだ!最後にいいこと教えておいてあげる。

 お前、売れるよ!!スーパースターになる。